流浪の民。
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<流浪の民 − アダムのリンゴ>
03年12月18日(木) 23:46
結構知られている。
アダムは旧約聖書の登場人物。世界で最初の人類とされる。
蛇にそそのかされたエヴァ(世界最初の女性)がアダムに禁断の木の実を食べさせた。
神がそれを知っていてアダムに声をかける。
アダムが慌てて飲み込もうとして、その実がのどにつっかえた。
それが「のどぼとけ」となったと言われる。
これはジョークだが、エヴァの方は2つ食べ、それが胸の膨らみになったという。
いずれにしても、旧約聖書の時点では、禁断の木の実がリンゴであるということは一切書いてはいない。
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<流浪の民 − 穴があったら入りたい>
03年10月28日(火) 12:39
非常に恥ずかしいと思うことを指すのだが、この言葉も古代中国の逸話から来ている。
出典は「賈誼新書」の<審微>だ。
斉の国が魯の国を攻めた。
魯の単父という町の町長で、フクシ(1文字目:ウ冠に必、2文字目:子)に領主から命令が下った。
「敵に兵糧を与えないように、麦を刈り取るように」
しかし、フクシはそれを守らず、結果として敵に麦を奪われてしまった。
領主の季孫が、フクシに詰問したところ、フクシはこう答えたという。
「麦は来年でも収穫できます。しかし、耕作しなかった怠け者にまで刈り取らせると、また戦争があればいいなと思うようになってしまいます。また、農民に他人のものでも奪ってよいという心を植え付けてしまいます。こうなると治りません」
季孫はこれを聞いて慙じて言った。
「穴をして入るべからしめよ、吾豈にフクシを見るに忍ばん」と。
つまり、「穴があったら入りたい」は、「自分の言ったことを守らなかった非を責めたところ、自分の言ったことに非があったことに気づかされ、恥ずかしくなってしまった時に発せられた言葉」であったのだ。
素直に「我過てり」と言った方がよかったかもしれないと思うのは私だけだろうか。
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<流浪の民 − 飛鳥川の淵瀬>
03年10月28日(火) 12:25
飛鳥川という川は水の流れの変化が甚だしいという。
その様は、深かった場所が急に浅い場所になるほどであるという話だ。
そのことを世の中に譬え、世の中や人事が絶えず移り変わり、無常なこと、を指すようになった。
出典は古今和歌集の巻一八、雑歌下にある。
世の中は何か常なる飛鳥川 昨日の淵ぞ今日は瀬になる
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<流浪の民 − アイスキュロスの亀>
03年10月28日(火) 12:19
亀の歩みはのろのろとしていることは知られているが、逆説的に言われた「アキレスは亀を追いこすことができない」などというのは有名である。
ところが、今回はアキレスではなく、アイスキュロスだ。
アイスキュロスと言えば、ギリシアの劇作家として実在の人物だ。
伝えられるところによれば、アイスキュロスは亀のせいで死んだのだ。
亀にあたって死んでしまったのだという。
が、亀を食べて毒にあたったのではない。
アイスキュロスが外を歩いていると、空を飛んでいた鷲が、そのアイスキュロスの頭を見て、餌だと思ったのであろう、そちらに気を取られ、つかんでいた亀を放してしまった。
アイスキュロスはその大きな亀が頭に当たって死んだのだという。
このことから、「アイスキュロスの亀」とは、災難は突然であり、運命は不可避であるということをいう。
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<流浪の民 − 兎の逆立ち>
03年10月19日(日) 23:23
昔の人は見立てでうまいことを言ったものだ。
現代人にはないセンスをもっていたと言える。
そう思わせるのが「兎の逆立ち」という言葉だ。
兎が逆立ちするというのは、現象としてありえないだろうが、あったと仮定して想像してほしい。
頭が地面につくことだろう。そして、長い耳が地面にこすれて痛いことだろう。
そこから、「当てこすりを言われて耳が痛いこと」を「兎の逆立ち」というのだ。
「兎の糞」というのもある。これは兎の糞は他の動物のように細長くなく、ぽつぽつと丸い糞になる。このことから「長続きしない」という意味で、「兎の糞」というのだ。
いずれにしても、昔の人の言葉のセンスには感心するところが多い。
こうした言葉遊びは、恐らく江戸時代あたりに隆盛を極め、明治に入って新語が増えて後は衰退していってしまったのではないかと個人的には思う。
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