宇宙と天文学.
記事 : 宇宙の終末は延期されました 
04年11月05日(金)


Cosmic doomsday delayed

宇宙の余命は、新しい推定値によると240億年だそうです。今回この数字を発表したグループは、宇宙が収縮して崩壊するという「Big Crunch」論の立場を取っていますが、前回推定していた数字が110億年でしたので、ほぼ倍増した事になります。反対に宇宙は膨張し続けるという立場をとるグループも存在し、こちらは「Big Rip」論を展開しています。どちらが正しいのか知る為には、より多くのデータが必要だそうです。 私達の生きているこの宇宙にもやはり寿命が有るというのは、その中で生きている身としてはあまり実感の湧かない事なのですが … 百億の昼と千億の夜などという物を、ふと思い出してしまいました。

宇宙はあと240億年間は続きます … 多分

ほっと一息つくことができます。宇宙の運命を作り出す 「ダーク・エネルギー」の不可解な力をモデル化した天文物理学者達に よれば、宇宙は少なくとも次の240億年の間続くでしょう。

カリフォルニア州に有るスタンフォード大学の理論天文物理学者の Andrei・Lindeは、宇宙が今から110億年後に終りを迎える恐れがある、 と以前に予言した研究チームを率いています。しかし、「arXiv」誌の サーバーにオンラインで事前公開されたこの研究チームによる 「ダーク・エネルギー」についての最新の研究は、私たちに刑の執行停止 を与えています。

研究チームの新しい計算は、宇宙が私たちが考えていたよりも速く拡大 していることを暗示する、ハッブル宇宙望遠鏡からのデータに依存して います。この望遠鏡は以前に見られたものよりも私たちからより速いスピード で逃げ去っている、いくつかの超新星を見つけています。Lindeは、 この宇宙が「宇宙の大収縮」の中へ回帰して崩壊を起こすまでには、 今まで存在してきた時間のほぼ2倍の時間が存在する、という事がより 有りそうだと結論を下しています。

難しい問題

1998年に、宇宙の拡張が加速していることに天文物理学者達が最初に 気づいた時、彼等は当惑しました。何が重い銀河を寄せ集めている重力を 打ち消すことができるというのでしょう? 理論家達は、「ダーク・ エネルギー」と呼ばれるある目に見えない力が、重力の引きを打ち消し ている、と提案しました。多くのモデルが「ダーク・エネルギー」を 宇宙に対する負の圧力だと描写しています。ガスとは異なり、 ダーク・エネルギーの圧力は、その拡大に伴って実際に増加します。

不運な事に、ダーク・エネルギーは直接見る事が出来ません。「よく言った ところで、ダーク・エネルギーに関する経験に基づいた推測は、 非常に解明が難しいものなのです」、とニューハンプシャー州・ハノーヴァー に有るダートマス・カレッジの天文物理学者のRobert・Caldwellは 語っています。

オクラホマ大学の宇宙論者で有るYun・Wangによって行われた計算に 依存するLindeのモデルの中では、ダーク・エネルギーは2つの出所を 持っています。その1つは、真空に自然に現われては消えてゆく粒子による 沸き立つ質量によって生み出されるエネルギーの形式として仮定されて います。他方は、宇宙の構造に内在し、連続的にその拡張を駆り立てる ある種の力場です。

「私たちがこのモデルを前提とするならば、宇宙は次の240億年間は 恐らく安全でしょう」、とLindeはNews@nature.comに語っています。

かみ砕かれるのか引き裂かれるのか?

物理学者達は、宇宙の運命に関してまだ対立しています。宇宙が永久に拡大 し続けると主張する人々が存在しています。しかし、将来のある 時点で収縮し始め、最終的に「宇宙の大収縮」中で崩壊すると 考えている人々も存在しています。「宇宙の運命を予言することに関しては、 全ての賭はご破算になるのです」、とCaldwellは語っています。彼は、以前に 宇宙が無限に拡大することによって結局「引き裂かれた宇宙」という形でその 一生を終えるということを示唆しています。

「もし今金を賭けなければならないのなら、私は次の100億年の間、 私たちが指数関数的な拡張を経験するだろうと言うでしょう」、とLinde は語っています。「その時間が経過しないうちは、この世界と無限に 拡大する宇宙との相違を見極める事は不可能でしょう」

しかし、無限の拡張はLindeの計算によれば、宇宙的な幻想にすぎません。 「その拡張の持続は結局有限になる」、と彼は言います。その結果、 宇宙は崩壊という終末を迎えるでしょう。

天文学者達が、宇宙の拡張が時間とともにどれくらい促進されたかに 関してまだ確実な答えを得ていないので、より多くの観察だけが その問題についての進展をもたらすでしょう。超新星/加速プローブ(SNAP) が多くの必要とされるデータを提供するかもしれない、とLindeは言います。 その機体は、カリフォルニア州にあるローレンス・バークレー国立研究所 で科学者達によって提案されました。彼らは宇宙の膨張の割合を追跡する 為に何百もの超新星からの光を研究する事を望んでいます。しかし、 このプロジェクトは現在保留状態です。


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