「セ」…セーラー服と機関銃。
ドラマ「セーラー服と機関銃」の第1話がついにオンエアされました。主演は、いま最も期待の集まる若手女優でもある長澤まさみ。
物語のキーとなる目高組の若頭役に堤真一、その目高組の構成員としてはバイプレイヤーとしての活躍が顕著な田口浩正など、そして敵対する組織の黒幕に緒形拳という豪華版。
ここにきて「スケバン刑事」が20年振りに「スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ」として復活したり、当時を知るものとしてはやはり嬉しいのひと言ですよ。
もっとも「スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ」の場合は、シリーズを踏襲しながらもリメイクというよりもまったくの新しい作品として、文字通り21世紀に甦ったわけです。
今回の「セーラー服と機関銃」は、あの大ヒット映画から25年振りの復活ということになるわけですが、第1話を見た感じだと方向性としてはリメイクということなのだろうと思います。
さて「セーラー服と機関銃」というとまず思い出されるのが、薬師丸ひろ子主演で映画化されたその1981年の角川映画「セーラー服と機関銃」。今は亡き相米慎二監督が「翔んだカップル」に続いて、薬師丸ひろ子主演で撮った青春映画の傑作です。
「セーラー服と機関銃」の公開は1981年12月19日で、この作品を最後に薬師丸ひろ子は大学受験のために活動休止になりました。
翌年、薬師丸ひろ子の不在で興行的に窮地に追い込まれた角川=東映は、夏休み期間のプログラムピクチャー的な位置づけで、オリジナル版でカットされたシーンを加えた「セーラー服と機関銃 完璧版」を公開。
同時上映に薬師丸ひろ子の女優デビュー作でもあるテレビドラマ「装いの街」をスクリーンに甦らせて話題になりました。
「セーラー服と機関銃」というとやはり思い出されるのが、相米監督独特のカメラ長回しシーン。
撮影当時の薬師丸ひろ子は17歳でしたが、お世辞にも美人だとは言えず体型的にも子供っぽさが残っていました。
そのまだ幼さの残る少女が、スクリーンの上でまるで転げまわるように、ずっとカメラの視線にさらされ続けていく。
その姿はやがて実際にストーリー上でも、まさにのたうち回るシーンへと繋がっていくわけですが、その過程が結果として女優薬師丸ひろ子ではなく、まさに人間薬師丸ひろ子の本性を赤裸々に浮かび上がらせることになっていきます。
この映画は相米監督のサディスティックな部分が顕著に出ている作品で、その象徴たるものが、あのラストシーンでしょうね。
赤い口紅を塗った泉が、新宿の歩行者天国の雑踏の中で、突然機関銃を撃つマネをして通行人を驚かせるあのラスト。
まるでマリリン・モンローの「七年目の浮気」よろしく、地下鉄の通気口から噴出する風にセーラー服のスカートをふわりと翻しての熱演でした。
実際の撮影でもカメラはビルの屋上に固定したままで、ただ一人虚空を撃つように機関銃を乱射するセーラー服姿の薬師丸ひろ子を俯瞰でとらえていきます。
映画では例の「快感!」のシーンばかりが有名になっていますが、この作品の白眉はあのラストシーンに尽きると思います。
そのラストシーンの導入部として流れる「セーラー服と機関銃」のメロディとのコントラストは秀逸でした。
その「セーラー服と機関銃」は、角川映画新人オーディションの特別賞を受賞した原田知世主演で、翌年にテレビの連続ドラマとして生まれ変わりました。
こちらはまだ撮影当時14歳だった原田知世の初々しい演技が印象的でしたが、残念ながら現在ではオフィシャルの映像ソフトが残っていません。
最近では1999年にスカパーのフジテレビ721でオンエアされたようですが、当然未見でした。
おそらく一度はビデオ化されたと思うのですが、もう絶版となって長い年月が経ってしまったのが残念ですね。
さて、ここで3つの作品のキャストを整理してみると面白い構図が浮かび上がってきました。
映画「セーラー服と機関銃」で泉が組長となる目高組の若頭を演じたのは渡瀬恒彦。
それまではどちらかというとアクの強い役が多かったのが、この作品では初めて父性を感じさせる役どころで、懐の深いところを見せてくれました。
後に原田知世主演「愛情物語」で足長おじさんを演じることになるわけですが、おそらくこの作品で角川春樹に認められたのではないでしょうか。
原田知世版で佐久間を演じたのは鹿内孝。
このときの物語の舞台が横浜になったこともあって、やや洗練されたイメージの佐久間だったと記憶しています。
そして今回のドラマでは堤真一が佐久間を演じています。
おそらく歴代の佐久間役としては最も若い役者かもしれません。
今回のドラマ自体がややコミカルな味付けになっていることもあって、今回の彼の抜擢はナイスなキャスティングだといっていいでしょう。
その目高組の組員たちにも少し触れておきます。
映画版では、心の奥底で佐久間を男として愛している政を大門正明、泉に対して恋心を抱くやや暴走気味の若い組員ヒコを林家しん平、そして泉に母性を見る気の弱い組員明を最近ではバラエティでも活躍中の酒井敏也が演じました。
佐久間の父性と泉の母性…この映画版が徹底して人間臭かったのは、そのあたりに理由がありそうです。
原田知世版では、まだ駆け出しの役者だった阿藤海と元ずうとるびの新井康弘と若い堀弘道の3人が演じました。
今回のドラマ化に当たっては、その3人という設定はなくなって、それぞれ現代社会が抱える問題を抱えた4人の組員が登場します。
おそらくこの先のストーリー展開の中で、それぞれの事情が語られていくことになるのでしょう。
もうひとつこの作品には、泉の父の死を巡って謎の女マユミ(真由美)が登場します。
映画版では日活ロマンポルノから転進した風祭ゆき、原田知世版では風吹ジュンが演じたこの役を、今回は何とあの小泉今日子が演じるというのも注目でしょう。
そして忘れてはならないのが、目高組の敵役となる影のフィクサー三大寺の存在。
映画版では三国連太郎が、怪しいムードたっぷりに演じていましたが、今回は緒形拳が国会議員という立場で演じます。
これもまた新しいテイストの試みということでしょうか。
いずれにしても長澤まさみ主演「セーラー服と機関銃」は予想以上に面白くなりそうな予感があります。
この先もしっかりチェックしていけたらと思いますね。
さて、「歌ドキッ!」の1980年特集の4日目。
「異邦人」久保田早紀歌うのは2回目の登場となる保田圭。
子供たちが空に向かい 両手をひろげ
鳥や雲や夢までも つかもうとしている
その姿は きのうまでの何も知らない私
あなたに この指が届くと信じていた
空と大地が ふれ合う彼方
過去からの旅人を 呼んでいる道
あなたにとって私 ただの通りすがり
ちょっとふり向いてみただけの 異邦人…
久保田早紀というと典型的な一発屋みたいに言われるけど、実際の事情はちょっと違うと思う。
この曲がヒットした当時は「ザ・ベストテン」のブレイクで、ランキング番組花盛りの時代。
とにかく歌がヒットする=ベストテン番組に出るという図式が勝手に出来上がっていた。
言い換えれば、テレビのベストテン番組に出ないと売れているとは認められないってこと…。
だから一部のニューミュージック系のアーティストは、頑なにランキング形式の歌番組への出演を拒んだりもした。
もっと自分のフィールドで歌を伝えたいという思いが、あの頃のニューミュージック世代を支えていた。
今でこそ街中に様々な音楽情報が溢れ、インディーズアーティストですら当たり前のように音楽ビデオを作る時代になったけれど、あの頃は映像メディアでアピールするためには、テレビの歌番組に出るしかなかったんだよね。
今回歌ったのは保田圭。
実はすでにハロプロのフォークソングカヴァーアルバム「FS4」で、ソロアーティスト保田圭としてこの「異邦人」をレコーディングしていたりします。
その意味ではちょっと新鮮さに欠けるけれど、せっかくCDとして発表したのだから、こういう形で改めて振り返るのもいいかもしれませんね。
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