普通の人々の名言集&私のつぶやき


何気ない言葉で元気になったり落ち込んだり・・そんな言葉に出会った時の私のつぶやき。


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表札
09年11月17日(火) 01:19
-
父は友人の居ない人である。

長い年月を父と暮らしているが、父を訪ねてきた人は数人しかいない。

でも・・父は寂しそうでもなく、ひ孫をこよなく愛し
相撲や野球やマラソンに一喜一憂し、新聞を読み
毎日を絵に描いたように規則正しく生き抜いて来た。

私達が 今の住居に越して来て20年以上になるのだから・・・・

思い起こせば、あの方が父を訪ねて来たのは20年も前になる。
2度ほど来られた記憶がある。



そして・・・・

今年の3月、新聞のお悔やみ欄にあの方の名前が載った。

それを知ったのは数日後だったのだが
父は、お香典を持って
あの方の家を訪ねると言う。


20年前の父の記憶と、新聞に載っていた住所を頼りにあの方の家を探した。

道中・・父が話すには・・・・

「俺、○○さん(あの方)の表札を書いたんだ。かまぼこの板でよ。」

”へぇ〜そんな事があったの・・・”と、父の意外な一面を知る。

「たしか・・この辺だったなぁ」・・と父。


車から降りて一緒に探す・・・・・と・・・・



「あ!」 「表札!」

そこはまぎれもなくあの方の家だと 父の文字が教えてくれていた。

かまぼこの板に書いたその文字は、綺麗にニスが塗られ
まるで、本物の表札板のように茶色に光っている。

何十年もの年月を 表札は父とあの方を繋いでくれていたのだ・・・

友人の居ない父を 可哀想に思っていたが
私の心は ほ〜っと 温かくなった。

3月の雪がもうすぐ溶けていくように・・・





コメント: 09年12月24日(木) 01:51 / 投稿数:2 / 参照投稿

いいお話ですね。(月子) 09年12月20日(日)
月子さんへ(tama) 09年12月24日(木)



街で会ったら 声をかけてくれよ。
09年09月13日(日) 22:25
-
9月11日、特別養護老人ホームでの実習を終了。

自分が実習を受けたのは、ほとんどが車椅子の方々であり
食べる事も、排泄も、自分では出来ない入所者さん(以後、”利用者さん”と呼ぶ)である。

初めの頃、私は利用者さんの表情がわからず、話も通じないと思っていた。

Mさんは、口をあけることが出来ず、食事を吸う力がないので
スプーンで流動食を押し込むように流し入れてあげるのだが

私は、その食事のほとんどをMさんの口に入れてあげることが出来ず
外に流れさせてしまった。

「ごめんなさいね・・上手に入れてあげれなくて・・」

そう言いながら、次のスプーンを口にもっていった時、Mさんはガクッと前のめりになり 口をおちょぼ口にしてスプーンに近づけてきた。

”あぁ・・Mさんには聞こえていたのだ・・”そして、協力をしようとしてくれたのだ。
話す事も、動く事も出来ないMさんが、精一杯の力を振り絞っている事を、その時私は気がついたのである。


文部省唱歌の好きなKさん。

そのKさんの為に、いつも音楽が流れているのだが

小さい頃、何も思わず歌っていた唱歌の なんと、切なく悲しい事か・・・

♪ゆうやけこやけの赤とんぼ おわれて見たのはいつの日か・・
ねえやは15で嫁に行き お里の便りも たえはてた ♪

ホールに差し込む夕日が 長い影を映している

何も話さず 向かい合う 利用者さん達。

家に独り置かれる老後との違いはあるのだろうか・・・ふと、考える。



それでも

少し話せる方々は、故郷の話をしてくれて 親ときょうだいの話を聞かせてくれる。

そして 「兄が来てくれない」と・嘆くのである。

私は、昔の家族制度の中で ほとんどの人にとって、兄は頼れる人である事を知る。


実習の最終日

私は、利用者さんにお世話になったのは自分の方だったと思った。

話せなくても、とてもお茶目なオールドレディとオールドボーイ達。

「お世話になりました」・・と、私。

”ん?” と いつも眠っている目をあけてポッと口をあいたIさん。

「こ・ち・ら・こ・そ」と言ったKさん。

ウェットテッシュを、テーブルから突き落としたTさん。
(Tさんの食事介助は私の役目だった)

「いいところを、見つけなさい」と、少し話せる90歳のAさん。

Mさんは、目だけを動かして私を見た。


「街で会ったら 声をかけてくれよ」と Yさん。

グループでは一番若いYさんだが 「どうも俺は、80歳を超えているらしい」と言う(実は昭和11年生まれ)


私は 「Yさん! 73歳だってば!」と 教えてあげたのだが

そのYさんが街に出る日が来るのだろうか・・・と・・考えるのである。

「街で会ったら 声をかけてくれよ」 嬉しい言葉である。


コメント: 09年10月05日(月) 01:40 / 投稿数:4 / 参照投稿

いい経験でしたね(月子) 09年09月14日(月)
月子さんへ(tama) 09年09月14日(月)
(;−;)(モカ) 09年10月02日(金)
モカちゃんへ(tama) 09年10月05日(月)



9年間
09年03月01日(日) 01:41
-
 2月28日、夕刊配達をやめた。

2000年の3月1日から始めた配達は、9年間の月日に及ぶ。

電話一本で了解され、何の手続きもないのだが
最後の日、本店に挨拶に行った。

お客さんとの間のいろんな約束事を書いた紙とお菓子を持って・・

実際には、配達員が挨拶に行く事は少ないのだろうけど

地道に続けてきたかけがえのない仕事への 自分に対するセレモニーの意味をこめて。

9年間 いろんな思いを持って配達をした。

夫が亡くなった時、いつも同じ場所で 空を見ながら泣いた事・・・・

息子が外に出なくなった時、配達の時だけは外に出て
手伝ってくれた事・・・

息子なりの社会を感じ、部数に応じたお小遣いを楽しみにしていたっけ。

私は苦手だった犬が好きになり 庭の木々や花に季節を感じながら自転車を漕いだ。

大雪の日は、まだ70代だった父が3分の1の新聞を背負ってくれて
一緒に配達をしてくれた。
吹雪の中を先に帰る父が 迷ったりしないか心配をしたっけ。


あの時、小さかった少年達は
今、部活のジャージを着てサッカーボールを蹴る。

あの時、生まれたばかりの子犬は
私と変らぬ大きさになり 栗色の毛に白い毛が混ざるようになった。

いつも話をするおじいちゃんは、ガンの手術を3回もした。
そして最後の日も、私を待っていてくれた。

私の好きだった、明るいチャーミングな奥さんは
家族を置いて、家を出て行った・・・・


さてと・・・・

これからの私は、花屋さんの仕事を手伝いながら

自分の病気に向き合うとしよう。


そして 去年から始めた勉強を今年も続ける。

何度読んでも・・何度読んでも・・すぐに忘れてしまうのだけど・・

私の道は まだまだ続くのだから・・・・・



コメント: 09年03月02日(月) 00:37 / 投稿数:2 / 参照投稿

お疲れ様でした(月子) 09年03月01日(日)
ありがとうございます。(tama) 09年03月02日(月)



東京タワー
09年02月11日(水) 01:12
-
先日 長男と東京に行った。

次男とYちゃん(嫁)と孫が 空港に迎えに来ていて
”東京タワーに行こうか”と、話がまとまった。

東京タワーって何年ぶりだろう・・・修学旅行以来?

浜松で降りて
途中、昼食を取ったり、甘いものを食べたりしながら歩く。


次男のいでたちが一風変っているのが気になるが
2歳の孫はテクテクと歩き、Yちゃんも嬉しそうで 幸せな気持ちになる。

展望台に昇って、あちこちを観ていると
Sちゃん(長男嫁)が ”私も行きたかった”と話していたのを思い出す。
(長男嫁は、もうすぐ赤ん坊が生まれるのだ)




シンプルな発想だけど、東京タワーって中々いい。

東京タワーがこんなに緑に囲まれているなんて知らなかった。


今回の上京目的は 見物ではなかったけど


東京タワーを家族と歩いた

子供の頃に戻ったようなあの時間を 私は忘れないだろう。















コメント: 09年02月13日(金) 00:56 / 投稿数:2 / 参照投稿

こんばんは!(月子) 09年02月11日(水)
今晩は〜月子さん。(tama) 09年02月13日(金)



1000円が欲しかったわけではないのだけど・・・
08年10月10日(金) 01:52
-

答えを聞きたくて 問いかけてみても
返事を返してくれる人はいない・・・・・・・・・

あれは、間違っていたのだろうか。

8年前のちょうど今頃  
夜の11時に夫から電話が来た。

「仕事帰りの農道で、おじいさんを見かけたから来て欲しい」

夫はバイクで通勤していたので、乗せてくるわけにはいかず
私が車で その場所に向かった。

星の綺麗な夜で・・・街灯もない道端に2人はかがんで、空を見ていた。

聞くと、おじいさんは昼に買い物に出たまま 道に迷ったらしい。

すぐ近くのセブンイレブンに薬を買いに出て・・・・そのままどんどん自転車を漕いで
もう12時間以上も 家を探していたようだ。
自転車は何処かに置いて来た・・・とか。

何処かの家で 「お金はあるから泊めて欲しいと言ったけど、ダメと言われた」と言う。

おじいさんの家は 私達の住んでいる街だった。
そこは、隣の街だったので、とても遠い場所を歩いていたのだ・・・

おじいさんには家族は居ない。ネコが3匹居ると言う。
奥さんは亡くなって、娘さんは家を出て・・・家の電話番号も忘れたらしい。
そして、住所も・・・
覚えていたのは、名前だけ。

夫と私は、どうやって家を探し当てようか・・・と悩む。

おじいさんは、市営住宅に住んでいて、2段ベットの道路の傍だと言う。

2段ベット?

私はふと、いつも買い物の途中で通る、高架橋横の市営住宅を思い浮かべた。
上と下の道路。
あれを2段ベットと言うのだろうか?

我が家に着いて、夫も車に乗り3人で家を探す。

おじいさんは、店の灯りが見える度に

「あなたがたに、何かをご馳走したい」 と言ってくれた。

「お金はあるのだから」 と、千円札を1枚づつ4つにたたんで入れた がま口を見せてくれるのだ。
小銭も一緒に入っているので、丸く膨らんでいる、ラクダ色のがま口。

「あなたがたに何かを食べさせたい」 何度もそう言ってくれた。

多分、おじいさんは認知症だったと思う。

だけど・・・・

何かをしてあげたいと思う心や 感謝の心・・・を

いろんな記憶は忘れても
心の中を流れるその思いは消えてはいない・・・・

夜の1時頃  高架橋横の市営住宅に着いた。
おじいさんは、「ここだ」と言って、家に歩いた。
”良かった♪”

「中に入って」 「お金を取って」 と、おじいさんは言う。

夫と私は、「もう遅いから」 「お金はいらないから」と言うのだけど
がま口をいっぱいに開けて、「お礼をしたい」と言う。

その繰り返しの中で・・・私は、1枚の千円札を頂く事に決めた。
夫は「ダメだ!」と言ったけど。

おじいさんは ホッとしたように・・・私には見えた。


翌日
夫は 「お金を返しておいで」と言って、仕事に出かけて行った。

だけど・・・私は行かなかった。
本当は、おじいさんの部屋を訪れるべきだったかもしれない。



その年が過ぎ 新しい年になって・・・・・夫が亡くなった。

私は
おじいさんの部屋近くを車で通るたび 考えていた・・・・”あれで良かったのだろうか・・・”


そして・・それから数年

新聞のおくやみ欄で、おじいさんも亡くなった事を知る。


2人がたたずんでいた農道を通るたび、おじいさんの住んだ場所を通るたび

・・・・あれで良かったの?・・・・・・と、問いかけて
戻っては来ない返事を 自分の中でつくり上げていく。

夫の優しい気持ちと あたたかいおじいさんの気持ちを思い出しながら・・・・・













 



コメント: 08年10月23日(木) 01:46 / 投稿数:2 / 参照投稿

良かったと思います。(月子) 08年10月16日(木)
月子さんへ(tama) 08年10月23日(木)





記者名:tama 開始:05年03月07日 全記事:153 アクセス数: 3/ 3/ 16438