黒猫に小判。
   
by : nero


 「天帝妖狐」 乙一/著

天帝妖狐

   とある町で行き倒れそうになっていた謎の青年・夜木。
   彼は顔中に包帯を巻き、素顔を決して見せなかったが、助けてくれた純朴な少女・杏子とだけは心を
   通わせるようになる。
   しかし、そんな夜木を凶暴な事件が襲い、ついにその呪われた素顔を暴かれる時が…。
   表題作ほか、学校のトイレの落書きが引き起こす恐怖を描く「A MASKED BALL」を収録。


■A MASKED BALL−及びトイレのタバコさんの出現と消失■
−トイレの落書きが引き起こす恐怖− と、一言で云ってしまうと、
なんだかつまんないカンジになってしまうけれど。
これが、なかなか面白い。
それぞれが自分の落書きを消して、次のを書く。ってのが清潔でいいね(笑)
トイレの落書きがそもそも清潔ではないけどさ、
どんどん落書きが増えていった汚い状態を想像してたので。
消してきれいになって、で、新たな事件予告が書かれる。
って辺りが全体のイメージを伝えてるかな。


■天帝妖狐■
悪魔(?)早苗との契約により、段々と人間の体を失ってゆく訳だけれど。
その後、早苗が登場していれば、もっとホラー要素が強くなったのかな。
と思うと、ちょっとザンネン。と云うか、早苗の存在が中途半端、、、?

それにしても、乙一にまた泣かされた。
かなりホラーだよなー。でも、やっぱり切ない物語なんだよなー。

永遠の命を手に入れてしまったので、夜木は死なない(死ねない)ではないか、、、
物語は終わらないではないか、、、
そんなこと考えてると、苦しくって苦しくって、、、

ジャンプジェイブックスと集英社文庫では、ストーリーがだいぶ違うらしいのですが、、、
ジェイブックスの方では、夜木に幸せは訪れたのでしょうか、、、