電子ペーパー・電子書籍

記事 : 単機能製品である「電子ブック・リーダー」は普及するのか? 
09年11月21日(土)


Eight reasons ebook readers could fail
Techworld.com 11/20

これは「電子ブック・リーダー」という、電子ブックを 表示する機能に特化した製品には、本当に市場が存在する のだろうか、という事を考察した、少し長い記事です。

電子ブック(電子書籍)というものは、最近登場した新規な コンテンツではありませんが、広く普及したとは到底 言えない状態で長い時間が経過しています。

そういった状況に陥っている原因は、「特定の装置」では 特定の装置の為の書籍しか読めない状況が長く続いてしまった 為に、読者の多様な要求に応えられる多彩な書籍が提供されず (デジタル化の費用は一定なので、市場が小さいと不利になる) 市場が広がらない事や、「書籍を読む」なら紙に印刷された 普通の本が便利という厳然たる事実などに求められています。

でも実は「辞書」が既に「デジタル」に置き換わりつつある 状況は、「デジタルである事の利点」が上手く働く状況についての 示唆が不足しているのかもしれない、という事を暗示しています。

ちなみに「6インチ画面」というのは文庫本の印刷部分とほぼ同等、 「7インチ画面」というのはハガキの面積です。私が愛用している SIIの電子辞書の画面は「5インチ程度」ですが、それでもとても 読みやすいテキストを表示します。シャープのWeb端末には「辞書」 コンテンツの提供が始まりました。

日本でも実は「電子ブック」へと時代は急速に動いています。 「ミッキーマウス保護法(著作権期間の無限延長)」を推進する政治家 には、そろそろ退場をお願いしたいですよね。



Amazon、Sony、Plastic Logicは、彼らの預金を 失う事になるかもしれません

「Nook」という名称の電子ブック・リーダーが、11月30日に Barnes & Nobleからデビューする予定になっています。 (訳注:延期になりそうです) それは既にその市場に 攻め入っているいくつかの新しい電子ブック・リーダー達に 加わる事になります。

Amazon社からは、新しい「Kindl」の登場が予告され、 Sony社からは複数の「Sony Reader」が発表されました。 iRex Technologies社は、最近「iRex DR800SG」という 装置を新たに市場に投入しています。

Plastic Logic社からは、来年の1月の初めにビジネスでの 用途に焦点を合わせた「QUE」を公開する事が予告されています。 そしてSpring Design社からは、「Alex」という機種が 発表されました。

「電子ブックの閲覧」に特化した多くの電子ブック・リーダーが 市場に登場してくるという状況のもとで、市場分析会社である iSuppli社は、2010年には「1300万台」の電子ブック・リーダーが 販売されるだろうと予測しています(2009年にはその数字は 500万台ほどだと推計されています)

ですが、2010年の販売数に関してはiSuppli社の予測の 半分程度になるだろうと見積もっている調査会社も複数存在します。 分析会社のMediaIdeas社は、2010年には利用できる電子ブック・ リーダーの種類は40種類に達するだろうが、販売台数の合計は 500万台程度になるだろう、と推計しています。

また、アナリスト達の中には電子ブック・リーダーの販売に関して どんな事が起こり得るのかをはっきりさせるにはまだあまりに 時期尚早っだ、と語っている人達もいます。

調査会社のGartner社のAllen・Weinerは、単機能装置である 電子ブック・リーダーの機能は、多機能電話やタブレット・コンピューター によって置き換えられ得るのだ、と指摘しています。Apple社によって 市場に投入される可能性がある、強い関心が向けられている 「タブレットサイズの装置」は、電子ブック・リーダーとして 機能しうるものなのかもしれません。

「単機能装置である電子ブック・リーダーの市場というのは、 今後も決して成立しないかもしれません」、とWeinerは語っています。 「今の時点では、消費者達が電子ブック・リーダーではなく、 多機能電話の画面で電子ブックを読むことを選択するつもりなのか どうか、という部分を判断する事は不可能です。またApple社が 今後何をするつもりでいるのか、という事も不明です」

2010年の初めにApple社がタブレット・タイプの何らかの装置を市場に 投入するという噂は流れているが、実際には彼らが何も市場に投入 しない、という可能性は依然として高いのだ、という事も彼は語っています。

Weinerは、Apple社が実際に書籍に関連して複数の出版社と 交渉をしているという事実によって、電子ブック・リーダーの ライバルに成り得る、何らかものについて計画を進めている段階にある、 と考えていますが、それが2010年前半という時期に「製品」として 姿を現すという保証はない、と考えているのです。

「電子ブック・リーダーというものは、今後ロケットの打ち上げの様に 急速に市場に普及してゆくか、もしくはテクノロジーの記憶の殿堂に 入る事になるでしょう」、とWeinerは語っています。

「電子ブックとそれを読む為の電子ブック・リーダーへの渇望というもの は実際にそこにあります。そこにはそれらを求める声が実際にあるのです。 ですが、それがどれだけの規模なのか、という事はまだ明らかには なっていないのです」

Amazon、Google、Barnes & Nobleなどの大企業を含む様々な 企業が、何百万ドルもの資金を「e-ink(電子インク)」技術によって デジタル・テキストを明瞭に表示する為に投資しています。おそらく 広範囲な市場調査も行われている事でしょう。

それでも、沢山のアナリスト達が、電子ブック・リーダーが幅広く 市場に受け入れられる為には、少なくとも8つの潜在的な障害が 存在している、と指摘しているのです。

米国のすべての大規模テレコミュニケーション・キャリヤーが、 電子ブック・リーダーの話に何らかの形で関わっています。 彼らは、本の価格に無線通信の為のコストを含んで電子ブックを ダウンロードするユーザー達に無線接続を提供しています。

「Kindle」という電子ブック・リーダー単体で直接書籍が購入 出きるようにしているSprint Nextel社が、先鞭をつけています。

そういった多額の投資が行われていても、電子ブック・リーダーの 将来に対しては「8つの大きな懸念」が存在しているのです。

/* というわけでこの後に、8つの懸念がつづられます。*/
/* ここでは見出しと概略だけを出します。*/
/* 原文も置いてありますので、詳細は自分で読んでね。*/

1.装置の価格
  • 現時点の装置は「機能が貧弱で、まだ高い」
    (色は白黒だし「柔軟性」も備えていない)

2.電子ブックの価格
  • 人気の高い書籍は「電子ブックとして提供されていない」
  • さらに価格も「印刷版」と比較してメリットが小さい

3.多機能電話の存在
  • 「書物を読むためだけの装置」を購入させるには利点の説明が必要

  • 専用装置の表示画面の大きさは利点だが、人生の時間の多くを 読書にだけ費やすという状況は一般的だとは言い難い

  • 様々な装置で「電子ブック」を読むために提供されているソフトの 機能の多彩さは、画面の大きさよりも重要でありうる。 (iPhoneとtouchの為のAPP販売店の品目では書籍が既に多数を占めた)

4.アップルの噂されるタブレット・コンピューターの動向
  • 長く噂の段階だったApple社の「タブレット・コンピューター」

  • 「カラー表示の画面」、「タッチ操作」、「Web接続」という機能は、 「電子ブック・リーダー機能」も提供されるという事と結びついて 大ヒットを飛ばす可能性がある(特に学生や看護婦の利用で)

5.人気がある作家は、電子ブックについて態度を保留している
  • John GrishamやJ.K.Rowlingは、自著の電子ブック化を認めていない。
  • 需要の高い書籍の一部が電子ブック型式では提供されていない状況は、 電子ブック・リーダーの販売にも影を落としている。

6.デジタル著作権関連
  • Googleが現在促進している「デジタル・ライブラリ(図書館の電子化)」
    (より多くの図書館の書籍が、Androidを使っている多くの装置で 簡単にアクセス可能になってきている)

  • 書籍の電子化が急速に進んでいるので、現状では小さなその市場は 時間の経過とともに、より重要性を増してゆくと考えられている。

7.オープン出版標準の未来はありうるのか?
  • 「ePub」フォーマットは標準になるだろうか?
  • 「紙の書籍」で可能だった利便性は、「電子ブック」ではどうなる?
    (著作権とデジタル権利制御の問題は、電子ブックの普及に大きく影響する)

8.司書と小さな本屋は生き延びられるか?
  • 司書にとっては、「電子ブック・リーダー」は競争相手なのか? 。

猫足

「電子ブック」は「出版社が提供する」書籍ではない

ここでは「EPUB(ePub)」という電子書籍の標準形式について 何度か取り上げていますが、それは実は「Webで見られる情報を Webから離れていても利用できる」形式でもあるのです。

何度も強調しているように、「Webを手元で使う為に固定する」 形式として、それはとても有用なのです。

私達は今「XO」というOLPCの教育用ノート・パソコンが その形式の書籍に対応している事を知っています。次世代の 「XO-2」では、電子ペーパーとしても機能するタッチパネル画面が 採用される事も理解しています。それは書物(知恵の為の装置) になるのです。

「XO-2」は「オープン・ハード規格」という概念でその設計図が 公開されるそうです。それはXOの派生型としてネット・ブックが 製造された様に、実際に製造されるでしょう。

ピースがそろうのは間もなくです。

電子書籍」、 「電子ブックリーダー

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まず記事の日付を確かめ、必ず表紙で最新情報を見てくださいね。









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