記事は2009年5月2日に作成されました
国内で感染者が確認されている段階では、
対処が少し違ってきている部分がありますので注意してください。
「H1N1(チワワ)」と「H5N1(セントバーナード)」は、どちらも
インフルエンザ・ウイルスですが、性質は大きく異なります
(参考記事:
「チワワ」も犬。「セントバーナード」も犬。)
BBCの解説図が判りやすいものでした。
この図の左側の方が「H1N1」型のインフルエンザ・ウイルスです。
「季節性インフルエンザ(seasonal flu)」
「豚インフルエンザ(swine flu)」がこのタイプです。
今回の新型ウイルスもこのタイプである事が確認されています。
- 図の赤く見えている部分(鼻とのどの上の部分)に、ウイルスが感染します。
- 「せき(coughing)とくしゃみ(sneezing)」によって、簡単に感染が
広がります。
- 感染によって引き起こされる症状は、比較的深刻度が低いものですが、
死亡に至る可能性も有るのです。
この図の右側の方が「H5N1」型のインフルエンザ・ウイルスです。
ここでたびたび取り上げている「H5N1型鳥インフルエンザ (avian flu)」です
- 図の赤く見えている部分(肺)に、ウイルスが感染します。
- 急激に「mutate:変異」が生じ得ます。
- このウイルスは現状で「鳥類に感染するインフルエンザ(avian flu)」
ですが、希に人間にも感染し「深刻な疾患」を引き起こしています。
- 感染によって「肺炎(pneumonia)」が引き起こされうるのです。
- このウイルスは「鳥から鳥へ」は容易に感染を広げますが。人間に感染を
生じる事は希です。
性質がはっきり異なる事が理解できます。
現在まれに生じている「H5N1型鳥インフルエンザ (avian flu)」の人間への
感染では、死亡率が非常に高い事が報じられていますが、理由は「肺に
感染が生じて、そこでウイルスが猛烈な勢いで増殖する為に肺の呼吸機能
が損なわれてしまうから」なのです。
肺感染という性質は「鳥の体温が人間よりも高い」為に、鳥インフルエンザ・
ウイルスが、人間のインフルエンザ・ウイルスが入り込む「鼻やのど」
では温度が低すぎて増殖出来ない事が影響しています。
肺は身体の深い部分に存在していて温度が高い為に、そこに入り込んだ
鳥のウイルスが人間の細胞に感染する、というまれな状況が生じた場合、
増殖してしまって、不幸な死亡事例が生じているのだそうです。
慎重に動向が監視されている「H5N1型鳥インフルエンザ・ウイルス」では、
非常に増殖力が高い事(人間の身体の細胞が急速に破壊される状態になる)、
季節型インフルエンザの感染部位である「鼻と喉の上部」だけでなく、
全身の細胞で感染を生じる事、などの特徴がある事が知られています。
それは、「強毒型」と分類されている危険なウイルスなのです。
その為、人間から人間に感染を続ける状況が生じる事が懸念され、世界
各国で「プレ・パンデミック・ワクチン」と呼ばれる、大規模流行に
備えるワクチンが生産され、「タミフルやリレンザ」といったウイルスの
増殖を抑える「抗インフルエンザ薬」とともに、備蓄が進められています。
今回の「
インフルエンザA型(H1N1)」と呼ばれている、新型の
ウイルスでは、「H5N1」型ウイルスに備えて備蓄されていた抗ウイルス
薬が有効だ、という事がとても幸いしています。
ウイルスの性質は「季節型インフルエンザと似ている」とされています。
それもとても幸いな事です。
致死率が(現時点では)高くないウイルスを、感染当初のウイルス数が
少ない段階で発見して「ウイルスの数の増殖を押さえ込めれば」、身体
が受ける損傷が少なくなるからです。
追記
「2009 A/H1N1インフルエンザ・ウイルス(今回の新型ウイルス)」
の性質は、この記事がかかれた後により詳細に分析されています。
その結果「鳥+豚+ヒト」の遺伝子が混合されているこのウイルスは、
まれに「肺」で増殖して、ウイルス性肺炎を起こす事が確かめられました。
つまり「鳥型のH5N1」インフルエンザ・ウイルスと同様に
非常に危険な状況に陥る人達が出てくるという事になります。
それが生じる確率はとても低いそうですが、「そういう状況が
生じた場合には、集中管理室で人工呼吸管理装置による治療を
行う事が必要になります」
そういった「感染者の状態を分析する事によって得られる新たな知見」
の部分が大きく危険性の判断を左右しますので、必ず信頼できる機関の
新しい情報で事実を確認してください。
この性質は「ウイルスを抑え込む力が低い、感染弱者」と呼ばれる
人達や、子ども達でより危険な状況が出てくることを意味します。
ウイルスの「毒性」については、ワクチンが無い段階で「冬のインフルエンザ・
シーズン」に突入したオーストラリアの事例が参考になると考えられます。
オーストラリアの今年の冬のインフルエンザ感染者は例年の
4倍〜6倍ほどになると推定されています。その状況の中で、
例えば680万人の人口を持つNSW州では、「新型インフルエンザ」
感染によるこれまでの死者の累計は「36人」だそうです。
オーストラリアの当局の発表をまとめてありますので、表紙からどうぞ。
「H5N1」は「鳥」のウイルスで、人間のウイルスではありません
鳥のウイルスが、ごく稀に人間に感染する事がある段階です。ただし、
ウイルスに感染したら肺で急激に増殖する為に危険性は非常に高くなります。
「タミフルが投与されなかった場合の致死率は100%だった」と報告されています。
ですから
「海外から帰国した後に兆候が生じたら、すぐに保健所に
連絡し、診断と投薬を受けて下さい」、という事が幅広く報道されて
いるのです。
今回のウイルス感染によって死者が生じたのは「メキシコ国内の患者達」
と、「メキシコから米国の親戚の所を訪問していた23ヶ月の幼児」、
「出産直後+慢性疾患+肺炎の既往歴+極度の肥満」という悪条件を
持っていた米国女性だけです。これまでの所。
でも、「ウイルスの性質の解明は、今後始まる」のです。
メキシコ以外の患者達の症状が軽いというのは、「これまでの所は」です。
安易に「大した事は無い」から、防御など不要だ、という間違った情報を
流してはいけないのです。
日本に在住している場合、「必ずタミフル・リレンザの投薬が受けられ
ます」ので、絶対に「
保健所や地域の感染相談窓口に早期に相談して
下さい」。判定の為の検査キットを備えた「感染外来」を持つ病院
などを紹介してもらえます。
確定診断については、国立感染症研究所が新しい「遺伝子診断キット」
を開発しています。現在は確実な診断が6時間程度で出るそうです。
「自分の地域の保健所や同断窓口の電話番号」を確認し、電話に登録
して下さい。
あらかじめ通信販売で(処方薬を違法に)入手していた「タミフル」
を飲んだから、「インフルエンザみたいだけど、オレはもう安全」、
という話にはなりません。
それは「偽薬」 … 薬のように見せかけた単なる小麦粉かもしれない。
必要なのは、「感染している事を病院で検査してもらって、確定診断を
受け、タミフルが必要な場合には、処方を受ける」という一連の手順を
通過する事なのです。
それによって万一の感染の場合にも、「あなたの状態は医療機関に把握
され、治療を行いながら経過が観察され、安全が確認される」事になり
ます。「どういう経過をたどるのか把握されていない未知の感染症で、
医者が確認しない安全」など無意味なのです。
「タミフル」がインフルエンザを治すわけではありませんから、経過の
把握も出来ない素人には「安全」は確認できません。勝手な服薬は、
日本という「タミフルが入手できる医療機関が存在する」先進国に
あなたが居住している場合には、無意味であり、むしろ危険なのです。
正確な情報を。情報が必ず専門機関のものである事を確かめて下さい。
「医療分野の素人の意見」を信用してはいけません。専門機関の情報でも、
過去の情報は現在の状況には必ずしも適切ではありません。過去情報でも
再度の確認が必要です。
情報は最新のものを、「信頼できる医療機関・専門機関」から、得て下さい。
絶対に見ておくべきサイトである
国立感染症研究所 新型インフルエンザ情報 で確認して下さい。
社団法人日本感染症学会緊急提言 は医療機関向けの説明ですが、
読んでおく事をおすすめします。
「
インフルエンザA型(H1N1)」、
「
新型インフルエンザ」
「新型インフルエンザ」は、非常に事態の展開が早いです。
まず記事の日付を確かめ、必ず表紙で最新情報を見てくださいね。