| バイオテクノロジー | |
| 記事 : 再掲:「人工生命体の作成」に成功 … したらしい[UPDATE版] |
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08年01月25日(金)
この記事は2007年10月7日のものです
「Science」誌に、Craig・Venter氏の所の研究チームが「Mycoplasma genitalium」のゲノムの人工合成に成功した事が掲載されましたので、 昨年の記事を再掲します。実際の論文は、 Complete Chemical Synthesis, Assembly, and Cloning of a Mycoplasma genitalium Genomeです。「Submitted on October 15」という記載がありますので、この記事が出された時期に論文の申請も行われ ていた、という話のようです。 I am creating artificial life, declares US gene pioneer The Guardian 10/6 まだ正式発表前なので「らしい」ですが、今回の話に登場しているのは 「Craig Venter」です。これまでの経過から考えて、1年半前の研究が 前進したという話はあり得ると思います。 これは話の発端から数年が経過している研究の最新部分についての記事です。 ですから「Craig Venter」というキーワードで検索すると過去の経過につい ての記事が出てきます。人工生命やゲノムなどでも関連記事を探せます。 ちょっとおまけしてひとつ出しておきますね。Guardianの記事によると、今回の「人工生命体の遺伝情報」は原核生物の中 でも最小のゲノムを持つ「Mycoplasma genitalium」のゲノムの1/5 を取り除いたものだそうです。研究室で化学物質によって58万塩基対の遺伝 情報を含む「381遺伝子長」の染色体として再構成されたものですが、まだ ゲノムの状態にあり、「人工的に作り出された細菌」としての姿は持って いないようです。 ですが、研究チームの科学者達は既にある細菌のゲノムの他の細菌のゲノムを 取り除いた外殻に移植する事に(つまり別の細菌に変身させてしまう事になる) 成功しているので、今回作り出した「生命を維持できる最小のゲノム」を持つ 「新しい生物」を誕生させる事には「100%自信を持っている」、とVenter氏 は語っています。 ただし、「倫理的な議論が生じる」事が予想されるため、実際に生命体として それを作り出す前に、論文を公表する事にしたのだ、と彼は続けています。 そのゲノム(生命体)は、研究者達によって「Mycoplasma laboratorium 」と命名されているそうですが、特許が申請されています。また容易に識別 が可能なようにインクによるwatermarked(透かし)が入れられているそうです。 記事を読みましたが … これは … 考えさせられる事が多い話です。 Craig・Venter氏は、人間の遺伝情報を解読するためのレースに参加し、 物議をかもしているDNA研究者です。彼は今回、実験室で化学物質から synthetic chromosome(人工合成染色体)を作り出し、地球上で最初の 新しい人工生命形式の創造を発表する用意を整えました その発表は、カリフォルニア州サンディエゴに有る彼の科学研究所の年次 総会で、来週中に行われるだろうと予想されています。早ければ月曜日に それは行われるかもしれません。 それは、ゲノムデザインの開発という分野での、巨大な飛躍を告げるものに なるかもしれません。またそれは、「新しい種」を作成する事についての激 しい倫理上の議論を引き起こす事が確実視されています。その議論は、地球 温暖化と戦うための技術や新しいエネルギー源の為に、そのような技術を用 いる、という扉を閉じてしまう事になるかもしれません。 Venter氏は、彼自身は今回の出来事は「人類の歴史における非常に重要な 哲学的なステップ」なのだ、と考えているとGuardian紙に語っています。 「私達は、遺伝情報を読む段階から、それらを書く能力を持つ段階へと進 む事になるでしょう。それは、これまで決して熟考されてこなかった事を 仮定する能力を私達に与えるのです」 Guardian紙は、Venter氏によって研究所に集められ、ノーベル賞の受賞者で あるHamilton・Smithによって率いられた20人の一流の科学者達のチームが、 既に人工合成された染色体を作り出している、という事実を掴んでいます。 それはこれまで、決して達成される事がなかった名人芸的なバイオエンジニ アリングの功績です。 彼等は、研究室で作成された人工の化学物質を使用して、58万塩基対の遺伝 情報を含む「381遺伝子長」の染色体を、苦心の末になんとかつなぎ合わせ る事に成功したのです。 今回作り出されたDNA配列は、「Mycoplasma genitalium(マイコ プラズマ)」という細菌をベースにしています。研究チームは、その遺伝情報 のうちの1/5を取り除き、生命を維持するために必用とされる最小限にまでそ れを切りつめました。(訳補:「Mycoplasma genitalium」という 細菌は、原核生物の中でも最小のゲノムを持っている細菌だそうです) 研究チームでは、今回作成された人工生命を「Mycoplasma laboratorium 」と命名しています。それは全体が完全に再構成された染色体を持ってお り、簡単に認識できるようにインクによるwatermarked(透かし)が入れられて います。 今後は、その染色体を生きている細菌の細胞の中に移植する事になります。 そしてその過程の最終段階で、その人工合成された染色体は細胞を制御し、 実際に「新しい生物」になるだろうと予想されています。 研究チームの科学者達は、既にあるタイプの細菌のゲノムを別の細菌の細胞 の中に移植する事に首尾良く成功しています。(つまり事実上、細胞の種を 変える事に成功しているのです) Venter氏は、同じテクニックが人工的に 作成された染色体でも有効だ、という事について「100%自信がある」と 語っています。 その新しい生物は、自分自身を複製する能力と分子的な代謝能力を、ゲノム が移植された細胞に依存する事になるでしょう。ですから、そういった意味 では、それは「完全な人工合成された生物」とは言えないわけです。 ですがその「新たな生物」が持つDNAは人工的に作成されたもので、細胞と いうものを制御するのはDNAなのです。DNAは生命の為のレンガだ、と 考えられています。 Venter氏は、今回の実験を終了する前に倫理的なレビューを行ったのだ、 と語っています。「私達は、これがgood science:良い科学だと考えて います」、と彼は語っています。 彼は今回作成された「合成細菌」について特許を出願することによって、 彼の潜在的なブレークスルーを巡る議論に油を注いでもいます。 カナダのbioethics organisation(生命倫理組織)のうちの一つを率いる Pat・Mooneyは、今回の行動は社会に危険がもたらされる可能性を内在する 技術についての議論への非常に大きな挑戦だ、と語っています。 「一般的にいって、政府や一般社会というのは、問題になっている技術 からはるかに隔たった理解を持つ段階にあります。この問題は緊急の注意 を促すものです。試験管の名かで新しい生物を作成する、というのはいっ たい何を意味するものなのでしょう?」 彼は、Venter氏が「望む物をほぼ何でも作り出せる土台」を作成したのだ、 と語っています。「それは新たな薬品のような人類に対する貢献をもたらす かもしれません。同時にそれは、生物兵器などの様な人類に対する巨大な 脅威に貢献するかもしれないのです」 Venter氏は、技術が適切にコントロールされるなら、ゲノムデザインという 技術は莫大なプラスをもたらす可能性を持つ、と考えています。彼は長期的 には、それがこれまで考えられた事がなかったような代替エネルギー源を もたらすかもしれない、と期待しています。 彼は、将来的に新しい性質を持つ細菌が作成されるかもしれない、と予測 しています。それは余分の二酸化炭素を大気中から取り除くことを助け、 地球温暖化の解決策に貢献するかもしれません。ブタンなどの様な燃料を 作り出す細菌が作成されるかもしれません。砂糖からプロパンを作り出す 細菌だって生まれてくるかもしれないのだ、と。 「私達は、思考を刺激するという重要な働きを持っている物事を恐れはしま せん」、と彼は語っています。「私たちは大きなアイデアを扱っているので す。私達は、生命の新しい価値システムを作成しようとしているのです。そ のようなスケールで物事を考える場合には、全ての人々が幸福であることを 期待することは出来ないのです」 参考記事: 研究室で作成される「生命」とは何か? 「人工生命体」、「Craig・Venter」 「新型インフルエンザ」は、非常に事態の展開が早いです。 まず記事の日付を確かめ、必ず表紙で最新情報を見てくださいね。 |
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