| インフルエンザ | |
| 記事 : 鳥インフルエンザへの「無理解」は社会にとって危険だ |
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08年04月29日(火)
秋田・十和田湖の鳥インフルエンザは強毒性の「H5N1型」と判明した
と言うことですので2007年7月9日の記事を表に出しておきます。
以前に「過剰反応」と批判された「バリ島の鳥インフルエンザ発生」ですが、 つい先日、世界各国の防疫担当者達が集まって「世界各国から観光客が集まる 島で新型インフルエンザの患者が発生した」という想定で国際訓練が行わて います。 「不特定多数の人間が集まる観光地」での「伝染病の発生」には注意が必要 なのです。冗談は言っていません。 でもね、現在の状況は「狂犬病が発生しているので、むやみに野良犬には 近付かないでください」、という段階の話ですから、普通の人達にとっては 当たり前の用心のレベルだ、という事も覚えて置いてください。 今の段階で心配しなければならないのは、養鶏場に被害が広がる事です。 それは現在の段階では「鳥の病気」なのですから。 鳥インフルエンザ懸念で「ハクチョウ餌付け自粛を」 読売新聞 2007年7月8日 ハクチョウの飛来数日本一で知られる「最上川スワンパーク」(山形県 酒田市)で、「餌付けをする観光客に鳥インフルエンザが感染する可能性 がある」として、管理者の酒田市が地元ボランティア団体に対し、観光客 に餌付けをさせないよう要請していることが8日、わかった。 この部分だけ読むと、「過剰反応では」ないか、という酒田市の地元ボラン ティア団体「酒田市白鳥を愛する会」の主張に同意する人が出そうですが、 実際に記事の続きを読むと、こんな発言が出てきます。 (不特定多数の観光客による餌付けの)自粛要請に対し、同会の個人的 配慮により匿名化副会長は、「(人へ感染するという)明確な根拠も ないのに納得できない。手洗い場所や消毒設備を充実させるなど、別の方法 があるはず」と反論。来シーズン以降も観光客による餌付けを継続したい 考えだ。「酒田市」でも、日本の他の場所と同じだけ、新聞、テレビ、ラジオなどで、 「H5N1」型の鳥インフルエンザが世界中で流行し、感染した人間に死者が出 ている事は報道されていると思いますが、一番新しい死者は2007年6月16日に、 ベトナムで出ました。 普通に現実を理解できる人のための資料 UPDATE ON AVIAN INFLUENZA IN ANIMALS (TYPE H5) Confirmed Human Cases of Avian Influenza A(H5N1) 前者がOIEによる動物の感染情報、後者がWHOによる人間の感染情報です。 それぞれの発表元が何をしている組織か、という情報は常識の範囲と認識します。どちらもリアルタイムに近い情報で更新されているサイトです。 WHOによる最新の感染者数・死者数のカウントは、317人・ 191人です。 もちろん、この記事の為の取材をした読売新聞の記者は、そのような事実を正確 に認識していますので、専門家である大槻公一・京都産業大学鳥インフルエンザ 研究センター長に、専門家としてのコメントを求める取材をしています。 (鳥インフルエンザがハクチョウなどから)人間に感染する確率は極めて低い。 だが一方、ウイルス変異の恐れはあり、鳥がひしめく狭い場所での積極的な餌付 けは勧められない。 鳥インフルエンザに人間が感染して死亡する、という事態は、識字率が低 かったり、新聞、テレビ、ラジオといったような情報伝達システムの整備 が遅れていたりする、「鶏、アヒルなどと人間が身近に接している」、 開発途上国で発生しています。 鳥インフルエンザは「鳥の病気」で、主な感染ルートは「鳥の肉や卵の貿易」、 「渡り鳥による持ち込み」、「感染した場所から他の場所に移動した人間に 付着した鳥の糞による汚染」などです。 鳥の病気である「H5N1」型インフルエンザ・ウイルスに感染した鳥から、人間 にウイルスが感染するのは、ほんとうに希な状況なのですが、WHOがまとめてい る数字を見ると判るように、「感染後の致死率」は非常に高い物になっています。 死亡率は、鳥の病気の人間への感染が確認されてからの感染者全体の、6割にも 達しているのです。その為、先進国を含め、世界中で「鳥の病気の発生」が厳重 に監視されているのです。 もちろん白鳥は鳥インフルエンザに感染する生き物です。先月はドイツで、 今月に入ってからフランスで、複数の白鳥の死骸から病原性の高い「H5N1」型 鳥インフルエンザウイルスが検出されたことが確認されています。 ちなみに欧州では、感染死している野鳥が発見されると、付近一帯の鳥の移動 は差し止められ、地区の住民の移動も一定期間制限されます。大騒ぎなのです。 余所の国の話など持ってこなくても、日本の養鶏場に「野鳥を経由して」感染が 生じたと考えられている汚染のケースで、養鶏場が即座に閉鎖され、周辺の養鶏 場を含めて、鶏肉や鶏卵の出荷が差し止められた事は記憶に新しい所です。 出入りの鶏買い付け業者や飼料業者、養鶏場の従業員やその家族に対して、 ウイルス感染の有無を確認する検査が行われ、養鶏場の鶏は全部殺処分されま した。感染が生じる危険性は低いが、感染後の致死率が異常に高い、という事 が判明している為、白い某除服を着用し、ゴーグルで目を、医療用マスクで 呼吸器を感染から守り、なおかつ「タミフル」を予防服用して行われた、もの ものしい感染発覚後の汚染防除作業の報道は、この発言者の住んでいる所では 行われなかったのでしょうか … あり得ません。単なる「無知」です。 実際には、酒田市が今年の2月に行った要請は、非常に理に適ったものです。 それは「不特定多数の観光客による餌付け」に関しては自粛を要請し、 「酒田市白鳥を愛する会」が行う餌付けについては、自粛は求めていない のです。 これは、大槻公一・京都産業大学鳥インフルエンザ研究センター長の指摘に有る 様に、「鳥インフルエンザがハクチョウなどから人間に感染する確率は、極めて 低い」からです。もちろん「ウイルス変異の恐れはあり、鳥がひしめく狭い場所 での積極的な餌付けは勧められない」のですが、ボランティアは通常地元の人で、 行動範囲が限られます。もし「鳥インフルエンザ・ウイルス感染によって白鳥が 死亡した」としても、その人の居場所はすぐに特定され感染の有無は確認出来 ます。また行動範囲も地元、になりますので接触者は限られ、二次感染が懸念 される、という最悪の事態であっても対策はより容易です。 不特定多数の観光客が、白鳥にえづけを行っていた場合、感染死が発見された 後に、危険が生じるかもしれない人を追跡し、その安全を確保する事は困難を 極めます。 例えば、つい先頃「麻疹(はしか)」が流行した日本で病気に感染した、米国 オレゴン州の男性がいました。彼は発症前後に周辺を動き回った為に、地域住民 の全員が自宅待機をさせられる、という大騒ぎになりました。 鳥インフルエンザは、今の所、麻疹のような、現在日本だけでも毎年何千万人 もの患者を生み出している「人間のインフルエンザ」の様な、人間に対する強 い感染性は持ちません。(人間の感染は、病気に感染した鳥との密接な接触を 持っていたケースがほとんどで、人間から人間という経路で感染が生じた事が 疑われているケースはごく少数です) でも、万が一鳥から感染が生じていた ら、死亡する確率が60%を越える、という恐ろしいケースに該当する事になり ます。 テレビの映像や、新聞の写真に見られた「ものものしい白い防護服」、「ゴー グル」、「マスク」というものは、決して「過剰反応」の結果などでないのです。 例えば先進国である欧州各国では、白鳥などの野鳥の死骸を発見した人は、自分 の身を守る為にも(見つけた事は、死骸に接近した事を意味する)、迅速に政府 当局にそれを通報する事が求められているのです。 野鳥の保護活動は大切な事ですが、それよりもまず、「人間に万が一の事が あったら取り返しがつかないのだ」、という事を優先すべきでしょう。 「酒田市白鳥を愛する会」の個人的配慮により匿名化副会長の、 「(人へ感染するという)明確な根拠もないのに納得できない。手洗い場所や 消毒設備を充実させるなど、別の方法があるはず」という発言からは、 この人がきちんと状況を認識できていない事がわかります。 養鶏場の一部に「H5N1」型ウイルスの感染が実際に生じていても、日本全国で 養鶏が禁止されているわけではありません。危険性は今の所低いのです。だから こそ「酒田市白鳥を愛する会」が行う餌付けについては、自粛は求められていま せん。 自分でOIEやWHOが出している情報を読み、日本の農林水産省や厚生労働省の 出している危険情報に目を通して、きちんと状況を理解すれば、そして「観光 客がこないと金儲けが出来ない」という事で餌付けの継続を主張しているので 無いかぎりは、不特定多数に危険性をもたらしかねない「観光餌付け」は、 当然自ずから自粛される事になるでしょう。 今回の新聞報道を読んでいると、どんなに感染が生じる危険性が小さいとして も、感染の結果が致命的な危険性を持つ疾患なので、日本を含めた全世界が 「人間の感染者を出さない」為に全力を注いでいるのだ、という事は、まだ まだ広報が足りていないのかもしれないな、と思います。 「手洗い場所や消毒設備を充実させる」事が有効なのは、そこに出入りする人間 が限られている場合で、なおかつ危険性が出入りする人達によってしっかりと 認識されている場合です。不特定多数の観光客に対して有効な感染予防手段では ありません。修学旅行生のノロウイルス感染さえも、防げないというのに …。 全国で「白鳥の餌付け」は行われ、観光資源になってもいますが、他の所を 管轄している市町村では、きちんと対策が考えられているのだろうか、と不安 になります。 「白鳥が感染して死にましたが、その日時の前後にその場で鳥に近づき、餌を 与えた心当たりが有る人達は、不安な場合病院で感染の有無についての検査を 受ける事をお奨めします」、というパニックを起こしかねない馬鹿な事態は、 絶対に起こして欲しくないのですが。 追記 「無知」では言葉がきつかろう、というご指摘がありました。「平等に情報を 与えられていても、自分勝手な解釈を行っている」ケースでは、「無知」という 表現でかまわないと考えますが、表題では「無理解」という言葉に置きかえまし た。ご了承下さい。 「鳥インフルエンザ」、「H5N1」 「新型インフルエンザ」は、非常に事態の展開が早いです。 まず記事の日付を確かめ、必ず表紙で最新情報を見てくださいね。 |
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