脳と振る舞い

記事 : マウスの脳がコンピューター上に再現された 
07年04月28日(土)


Mouse brain simulated on computer
BBC News 4/27

ニューロンというのは、脳の神経細胞なのですが、「シナプス結合」 と呼ばれるものによって、他の神経細胞と結びつき、情報の入出力を 行っています。脳はこのニューロンのつながりによって、記憶や学習 を行っているのだ、と考えられています。

今回、現在世界最速の性能を持つ「BlueGene L」スーパー・コンピューター 上に、マウスの脳の半分にあたる800万のニューロンの働きを再現させる 事に成功したそうです。

使われたのは、それぞれが256MBのメモリを使用する、4096台のプロセッサ を持つ「BlueGene L」スーパー・コンピューターなのですが、800万ほどの ニューロンが、最大でひとつあたり6300のシナプスを持つという設定のマウス の脳の半分の活動を、「現実時間の10倍遅いスピード」で10秒間シミュレー トしたそうです。つまりマウスの脳の半分の活動を「1秒分」再現したわけ です。

ニューロンが自然にグループを作るのが観察されたり、仮想のシナプスが 実際のシナプスで観察される連携パターンと同様の方法で、交互に活性化 するのも観察されたそうです。実際のマウスの脳で見られる構造は欠けて いたそうですが、それでも凄いものだと思います。

構造を与えて、シミュレーションがより実物に近い動きをみせるように するのははるかに難しい課題になるかもしれないそうですが、今後に 期待したいと思います。

なお、「人間の大脳皮質のニューロン数は100億位」だと言われています。 それは1秒間に1テラ(1兆)回以上の演算を行なうことができるスーパー・ コンピューターでも、再現不可能だとされています。


米国の科学者達は、スーパーコンピュータの上で仮想マウスの脳の 半分をシミュレートしました

今回研究者達が用いたのは、「cortical simulator(皮質シミュレーター)」 というものです。それは「BlueGene L」スーパーコンピュータの上でマウス の脳の半分と同じくらい大きく、同じくらい複雑なものを動かしました。

他のより小さいシミュレーションで、既に本物のマウスの脳で見られる思考 のパターンの特性が観察されていた、と研究者達は語っています。

今回研究チームは、そのシミュレーションをより迅速に、より本物のマウス の脳のように動く物へと、チューニングしたのです。

生命のしるし

脳という組織は、その複雑さとそれに関連している要素との間の潜在的な 相互作用が膨大である為に、シミュレーションの際に膨大な問題を提起 します。

今回のシミュレーションを行ったJames・Frye、Rajagopal・Ananthanarayanan、 Dharmendra・S・Modhaという3人の研究者達は、「Towards Real-Time, Mouse-Scale Cortical Simulations」と題名が付けられた非常に短い 研究ノートで、彼らがどの様にそれに取り組んだのか、という事を明か しています。

本物のマウスの脳の半分には、800万ほどのニューロン(神経細胞)が存在 していると考えられています。そしてそのそれぞれが、他の神経繊維との 間に、最大8000のシナプス(接続)を持ちうるのです。

そのようなシステムをモデル化する場合には、「あらゆるコンピューティン グ・プラットホームで、計算能力、コミュニケーション、記憶容量といった ものに凄まじい負担」がかかるのだ、と彼らは書いています。

IBM社の「Almaden Research Lab」とUniversity of Nevadaの研究者達から なる研究チームは、それぞれが256MBのメモリを使用する、4096台のプロ セッサを持つ「BlueGene L」スーパー・コンピューター上で、そのシミュ レーションを実行しました。

研究者達はそのマシンを使用して、最大で6300のシナプスを持つ、800万の ニューロンが存在する、半分の大きさの仮想のマウス脳を作成しました。

そのシミュレーションは非常に複雑なものです。それは現実の10倍遅い速度 で、10秒間だけそれを動かすことができる事を意味しました。つまり本物の マウス脳の1秒分だけがシミュレートされたのです。

研究者達は他のより小さなシミュレーションの際に、神経インパルスが 仮想の外皮を通して「生物学的に一貫した力学的な特性」を持って流れ たのが観察されていた、と語っています。

研究チームはそのようなテストの際に、ニューロンが自然にグループを 作るのを観察しています。彼らは、シミュレートされたシナプスが、 実際のシナプスで観察される連携パターンと同様の方法で、交互に 活性化するのも観察しています。

研究者達は、今回のシミュレーションは神経の接続という面では、マウス の精神の性質とのいくつかの類似性を持っていたが、実際のマウスの脳 で見られる構造は欠けていた、と語っています。

そのような構造を与え、シミュレーションが有益な仕事を」するするように するのは、単に配線工事を行うよりもはるかに難しい課題になるかもし れません。

研究チームは、将来のテストのためにシミュレーションをより高速化し、 実際のマウスの脳で観察される構造を付け加える事によって、それを neurobiologically(神経生物学的)に、より本物に忠実なものに作り 上げ、ニューロンとシナプスの反応をより詳細なものする事を目指して います。

猫足 4/30
> はてなの巨大ネズミさんへ
脳が「活性化」するには、「きっかけ」が必用なはずです。だから、この記事が 伝えているのは、シミュレーションされた脳細胞のどこかを刺激したら、生体と 同様の連鎖的な活動が見られた(グループ化が生じた)という事なのでしょう。

ただ、例えば「海馬」、「扁桃」などのような、ニューロンが作り出して いる構造は再現できていない、という話なのだと思います。私には用語の ニュアンスは判りませんが、ニューロンは場所によって異なる仕事をしていた りしますので、多分そういう事でしょう。BBCで扱うのは一般向きの科学ニュ ースなので、あまり詳細な情報はありません。

ちなみにこの記事は「脳と振る舞い」に入れました。「脳」というのは大変な 器官なのだなぁ、という意味合いです。人間の脳を作れるまでに、あとどれだけ の時間が必用なことやら …

ニューロン」、「脳の働きのシミュレーション

「新型インフルエンザ」は、非常に事態の展開が早いです。
まず記事の日付を確かめ、必ず表紙で最新情報を見てくださいね。









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