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記事 : 他:言葉をめぐるエトセトラ 
07年03月11日(日)


日曜日なのでのんびりと定期巡回をしていたら、翻訳について面白い記事が出ていました。

翻訳小説が出なくなる 愛・蔵太の少し調べて書く日記

書籍の販売数量が減少した事によって、海外の文芸作品の刊行が減っている、 というものです。これは困った話だな、と思いながら先を続けたら、翻訳ニュ ースの選択について書かれた記事にぶつかりました。

CNNサイエンスは面白い、別の意味で yourCat の日記

CNNの科学ニュースが、非常に興味深い記事集になっているというものです・ 掲載されていた記事のヘッドラインを読んでみて、本当になかなか「面白そう」 な記事の並び方だったので、「CNN Japan」のサイトに出かけたら、今日のヘッ ドラインには次のような記事が出ていました。

8歳児が児童教育施設で「マリフアナ売買」の商売、摘発
育てた麻薬盗まれ警察に通報、再度の栽培を警告


8歳児が児童教育施設で「マリフアナ売買」の商売、摘発
ミシガン州サギノー――サギノーの警察は9日、児童教育施設で「マリフアナ」を他の子供に売り付けようとした「8歳」の男児を摘発したと述べた。売却を持ち掛けられた子供が教師に報告して判明した。

教師が警察に通報。調べたところ、8歳男児は保有するオモチャの箱の中にマリフアナを隠していたという。

男児は、身体障害を持つ生徒のクラスに入っていた。事件が発覚後、両親の元へ返されたという。立件するのかどうかは不明。
その次の記事
育てた麻薬盗まれ警察に通報、再度の栽培を警告 NZ
ウェリントン――ニュージーランド(NZ)北島西部のネーピア市で麻薬カンナビスを自宅のバケツで栽培し、盗まれたことに動揺した同国女性(45)が警察に通報する一幕があった。地元メディアが報じた。4年間で4度目の被害と泣きながら、訴えたという。

夜間の犯行としている。女性は電話に出た警官に「私は善人だ。自分の所持物を盗む悪人には飽き飽きした」と嘆いた。

現場検証で女性の自宅に出掛けた警官は、盗みの経緯などを詳しく聞くと共に、カンナビス栽培は法律的な結果を招くかもしれないと警告したという。

地元署は今回、女性に対し刑事罰などを求めない方針。

「marijuana」というのは、大麻草(要するに「麻:アサ」です)の花、茎、 種子、葉などを乾燥し切り刻んだ麻薬です。日本語では「大麻」は「タイマ」と 読みますが、英語の表記をカタカナにした物は、たいてい「マリファナ」に なっています。「8歳の子供が持っていたマリフアナ」の実態は何でしょうね?  多分本物のマリファナだったのだろうと思いますが。

2番目の記事には、「麻薬カンナビスを自宅のバケツで栽培」という記載が出て きます。日本語的には「麻薬を栽培する」には、違和感を持つ人が多いだろうと 思いますが(覚醒剤を栽培するのは難しかろう)、それは脇に置いて、「カンナ ビス」は「cannabis」というもののカタカナ表記のようです。それは植物なの ですが、日本語では同じ植物を「大麻」と呼びます。


ちょうど折良く2つの記事が並んでいたので例にだしましたが … つまり言語 というのは「概念」を扱うための道具なので、そんなに単純にA言語からB言語 への置き換えが出来る、というものでは無いのです。

もちろんそれが「だいたい理解できる」程度で良いなら、読む側が加減して 読むわけですが、売り物である文章でそれをしてしまうと、より知識の有る 読者から厳しい指摘が続出する、という事も出てきます。訳した人間のレベル が低かった為に、日本語として読むと難解な文章になってしまった外国の文章 は少なくない、と私と違って外国の文書を日常的に読む知人は指摘していました。

まあ、そういった部分が、このサイトに物理学関係の記事が(面白い話が出て いるのに)少ない、という理由にもなっているのですが。


本人が読んで理解できるレベルなら、例えば技術文書の「英文 -> 日本文」変換 などは、現状でもほぼ機械翻訳(翻訳ソフト)で間に合います。でも例えば、 それが男女の言葉遣いの違い、尊敬・謙譲・丁寧(美化)などを含む、話してい る人間と聞いている人間の相対的な関係での言葉の変化、書き言葉と話し言葉の 間の微妙な違い、などというものが文章の印象に大きく影響する文学作品の翻訳 には、そのままでは使えないだろう、というのも明白な事実です。

コンピューターはデータベースの形で、対応する言語間の相互変換を行えます。 でも巨大なサンプラーを構築したとしても、同じ事を表現する「江戸っ子のせ りふ」と「上方の商人のせりふ」の切り分けを上手くやってのけるのはむずか しかろうと思います。また、先日訳したトリビューンの記事で使っているよう な、「あの人の言葉だから、ちょっと気取った言い回しを使おう」、などと いう判断も、今の所は人間の領域だろうと思います。

もちろんそれは、翻訳をしている人間がその言葉の概念を把握している事が前提 になるわけですけれどね。訳している物が何なのか、理解が出来ていない場合に は直訳の機械翻訳の方が、より信頼性が高いという事にもなりかねません。 (今回のカンナビスとかノルウェーの森レベルの訳文は、やはり困る)

同じ事を表現するための言葉をどれだけ持てるか … 究極的にはコンピュー ターには勝てませんけれど、まだ人間の翻訳者が不要になるという段階では 無いでしょう。少なくとも、文学作品が機械翻訳されるような状況は、今の 段階ではまだまだ先になるように思えます。だから、良質な翻訳を提供して くれる人達が食べられるようにする手立ては、なおさら必用ですよね。

「書籍への需要が減っている」事は「文章への需要が減っている」事を必ず しも意味していません。なんとか出来ない物かとは思うのですが … 電子 ペーパーはまだ使えませんかね … 最近の事例についての参考記事:E Inkが開発する電子インクディスプレイのデモ用プラットフォーム


猫足
大麻・マリファナを合法化する事については種々の意見があります。 客観的な部分を指摘しておくと、現在主流になっている有効成分が高濃度に含ま れる大麻を、かつての同じ名前の植物と同一視するのは危険です。ビールを1リッ トル飲む事と、スピリタスを1リットル飲む事の間には、明らかな差が有ります。 それと同様の違いが存在している事は、議論の前に理解してください。

基本的には、それが影響するのが当人だけの場合には、「嗜好の範囲」として 許容され、周辺に害が及ぶ場合には取り締まられる事になります。現在のタバコ のように、社会的な費用が発生する(間接的に他人に迷惑をかける)ものも、 規制されてきている、という事も同時に考えてみるべきだと思います。

機械翻訳

「新型インフルエンザ」は、非常に事態の展開が早いです。
まず記事の日付を確かめ、必ず表紙で最新情報を見てくださいね。









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