惑星探査

記事 : 火星には、今も液体の水が流れている 
06年12月07日(木)


NASA Images Suggest Water Still Flows in Brief Spurts on Mars
NASA 12/6

「火星には水が存在していた時代が有った」という事は、現在火星で活躍して いる双子の火星探査車達の活躍によって確認されていましたが、今日「火星の 表面には、今でも水(もしくはその類似物)が流れている」という事が、NASA から発表されています。

下に有るのは、「最近液体の形の水が流れた」事の根拠となった「Centauri Montes」領域に存在するあるクレーターの画像です。一枚目の画像が撮影され た1999年から、次に同じ場所が撮影された2005年までの7年という期間のどこ かで、新しい「gully deposit(浸食溝の堆積物)」が出現した事が捉えられ ています。この堆積物が明るい色合いに写っている事から、それが「水が流れた」 事によってもたらされたものだろう、と発表されています。

   
   画像の所有者:NASA/JPL/Malin Space Science Systems

この画像は、「Mars Global Surveyor(マーズ・グローバル・サーベイヤー)」によって撮影されました。ごく最近その探査機が消息を絶ってしまった事をお伝えしたばかりなのですが、当時 NASAの火星探査を率いるMichael・Meyerは、次のような言葉でその探査機に弔意 を表していました。
Mars Global Surveyorは、とても偉大な遺産を残してくれました。それは 今明らかになっている発見だけでなく、現在進行中の分析によって、将来、 科学的な驚きももたらしてくれる事になるでしょう。それがもたらしたデー タのすべては、研究の為に世界の科学的なコミュニティーが利用する事が 出来る惑星データ・システムに存在しています
今回の発見は、火星の地下には液体の水が存在するかもしれない、という 事を示唆するものだそうです。それはそこになんらかの生命が存在するかもし れない、という可能性をより高めます。

失われた可能性が高い長命な探査機が残した膨大な「遺産」の解明は、これ からも続いてゆくそうです。


NASAの写真は、過去の7年の間のどこかの時点で水が沈殿物を運んだ事を示唆 する、火星の2つの溝に見られる明るい新しい堆積物の存在を明らかにしまし た。

「それらの観察結果は、火星の表面をまだ時々水が流れている、という事に ついてのこれまでで最も強い証拠を与えるものです」、とNASAの「Mars Exploration Program(火星探査計画)」の主任科学者であるMichael・Meyer は語っています。

生命のためには、液体の水が必用だと考えられています。これまで火星では、 氷の形でまた水蒸気として水が存在している事が判っていました。今回の新 しい発見は、火星の微生物生命体の存在の可能性に関する好奇心を高めるも のです。

NASAの火星探査船「Mars Global Surveyor(マーズ・グローバル・サーベイ ヤー)」に搭載された「Mars Orbiter Camera(火星軌道カメラ)」によって、 2004年と2005年に得られたイメージ中に、堆積物の存在を示す新しい証拠が 残されていました。

「これらの堆積物の形態は、水を流すことによってそれらの材料が運ばれた のかどうかを確かめる事を当然要求します」、とサンディエゴに有る「Malin Space Science Systems」社のMichael・Malinは語っています。

「それらの溝は、下り坂の終わりに指のような枝を作り出しています。 また、容易に小さな障害のまわりで方向を変えています」、とカメラの 主席調査者であり論文の筆頭著者であるMalinは、「Science」誌で公表 された調査結果に関する報告書で語っています。

火星の大気は非常に薄い状態にあります。そして温度は液体の水が表面で 持続的に存在する事が不可能なほど低いのです。それは急速に蒸発するか、 凍り付いてしまう事になるでしょう。

研究者は、水が地下の源から噴き出した後、完全に凍りついてしまう前に、 斜面に残骸を運ぶだけ十分な時間液体のまま存在したかもしれない、と提案 しています。今回発見された2つの新しい堆積物は、それぞれ数百メートル 程の長さを持っています。


それらの堆積物の明るい色合いは、堆積物の内部に含まれている氷によって 連続的に補充されている表面の霜のものでありえます。また、それが塩分を 含んだ地殻だという事もあり得ます。それは塩類の濃度を高めた水の影響の 現れだという事なのかもしれません。

もしその堆積物が、乾いた埃が傾斜を滑り落ちた事の結果だとしたならば、 その色合いはもっと暗いものになる事がより有りそうです。火星探査車達 に降り積もった新しい埃、「dust devils(ダスト・デビル:火星に発生 する埃を巻き上げるつむじ風) 」、火星に生じた新しいクレーターなどは、 暗い色合いを帯びているのですから。

Mars Global Surveyorは、火星のクレーターの内部の斜面や、他の場所の 斜面で何万もの溝を発見しています。それらの多くは、30度よりもきつい 傾斜を持つ地域に存在しています。Malin達の研究チームは、2000年に初め て浸食溝が見つかった事を報告しています。

現代の水の流れを示す変化を捜す為に、Malin達のカメラ・チームは何百も の領域を繰り返して撮影しました。一組の画像が、2002年の半ば以降に出現 した溝を示しました。その領域は砂丘上にありました。またその溝の形成 プロセスは、乾燥した砂の流れによってもたらされたものだ、と解釈され ました。


今日の発表では、より早い時期に撮影された同じ溝に、その後に流体によ って運ばれて新しくそこに置かれた資料が存在している、という事が初めて 明らかにされています。

そのような状態が発見された2つの領域は、火星の南半球に有る「Terra Sirenum」と「Centauri Montes」領域に有るクレーターの内部にあります。

「これらの新しい堆積物は、現代の火星のいくつかの場所で、また時折、 液体の水が地面の下から吹き出し、斜面を下って流れ下っているという 事を示唆しているのです。それは水が地下では溶けて流体の状態にあるの だろうか? それはどれぐらい広範囲に存在しているのだろう? また、 火星の地下には、生命の助けになる湿った生息地が存在しているのだろう か? という疑問を提示します。将来の探査によって、その答えが示され る事になるかもしれません」、とMalinは語っています。

探査船のカメラ・チームは、溝の変化を捜すことに加えて、新しいクレー ターが出現する割合についても評価を行っています。カメラは、1999年に 火星のおよそ98パーセントを撮影しました。そしてその惑星のおよそ30パ ーセントが、2006年に再び撮影されました。

より新しい画像では、7年ほど前には存在していなかった直径2メートルから 148メートルほどの幅を持つ、20の新しい衝突クレーターを明らかにしていま す。これらの結果は、火星の表面上の特徴の年代を決定する為に重要な意味 合いを持ちます。これらの結果は、予測ともほぼ一致していました。また、 少数のクレーターしか存在していない火星の領域が、本当「若い」という 事を暗示しています。


Mars Global Surveyorは、1997年に火星の周囲を巡り始めました。その宇宙 船は、多くの重要な発見を行っています。NASAは11月の前半以来、ずっとそ の宇宙船との交信が途絶えた状態にあります。その宇宙船と連絡をとる為の 試みは、現在も継続されています。

その探査機は、当初予定されていた期間を何年も越えるという、先例がない 長い探査時間を与えてくれました。それが火星をモニタリングする事を 可能にしてくれたのです。

NASA's Jet Propulsion Laboratory, Pasadena, manages the Mars Global Surveyor mission for the NASA Science Mission Directorate, Washington. For more information about NASA and agency programs, visit: http://www.nasa.gov

火星の生命」、「マーズ・グローバル・サーベイヤー

「新型インフルエンザ」は、非常に事態の展開が早いです。
まず記事の日付を確かめ、必ず表紙で最新情報を見てくださいね。









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