生態学と進化

記事 : かつてフィリピンには小さな水牛が住んでいた 
06年10月18日(水)


Extinct Dwarf Buffalo Discovered
National Geographic News 10/17

写真ニュースに、面白いイラストが掲載されていました。輪郭だけの水牛 が2頭、色つきの水牛が1頭。これは親子の散歩の図では無く、一番外側の 輪郭だけの牛が現代のアジア水牛、真ん中の輪郭だけの牛がミンドロ島に 住んでいる小型水牛、色つきで描かれているのが、フィリピンのセブ島に かつて住み、今は絶滅してしまっている「pygmy water buffalo(ピグミ ー水牛)」とみられる種なのだそうです。

今回の発表の元になった化石は、「phosphate(リン酸塩)」を探していた フィリピンの鉱山技師によって、今から40年ほど前に発見された物で、しば らく発見者の手元のビンに保存されていたのだそうですが、今回シカゴに有る 「Field Museum(フィールド博物館)」の専門家達の鑑定によって、新種で ある事が確認されたそうです。

「フィリピン」と「小さな生き物」というキーワードからは、2003年に発表 され、世界中の研究者達の注目を集めた「Homo floresiensis」が 思い浮かびます。(参考記事:フローレスの発見

身長がわずか1メートルというその骨格から、「hobbit(ホビット:こびと)」 とあだ名を付けられたその化石には、単に病気によって成長できなかった現代ピグミー人達の先祖の化石では無い のか?、という疑問が出されていたりもするのですが、発見者達は同じ島 から出土した「小型の象」の化石を根拠に、「island dwarfing(島嶼部にお ける矮小化)」と呼ばれる現象が生じた結果、人間が矮小化したのだ、と主張 していました。

今回発見された「pygmy water buffalo」は、身長が1.8メートル、体重が 1トンにも及ぶ「Asian water buffalo(アジア水牛)」の親戚だと考えら れているそうですが、その身長はわずか70センチでしかありません。本当に それは「孤立した島」という環境によって大きな水牛が矮小化した種なので しょうか? 知恵を持つ人間も、動物と同様に「島に閉じ込められる事に よって」矮小化するのでしょうか?

なににせよ、とても面白い化石が掘り出した人間によって死蔵されずに博物館 に持ち込まれ、日の目を見たことを喜びたいと思います。もっとも持ち込まれる 「骨」が学術的価値を持つことは、とても希だそうですが。


pygmy water buffalo:ピグミー水牛」、「island dwarfing

「新型インフルエンザ」は、非常に事態の展開が早いです。
まず記事の日付を確かめ、必ず表紙で最新情報を見てくださいね。









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