生態学と進化

記事 : 野菜の苦みの感じ方には個人差が有る 
06年09月19日(火)


Distaste for sprouts in the gene
Nature Web News 9/18

子供達は一般的に大人よりも野菜を嫌う、というのは割合広く知られている事 かもしれません。「身体に良いんだから食べなさい」というお母さんと、野菜 をそっとゴミ箱に放り込もうとする子供の攻防は、広く見られます。野菜が 嫌われる要因として、「においの強さ」と「苦み」が有るのですが、今回勇敢 なボランティア達によって、25種の苦い野菜を生で食べるというテストが決行 されたそうです。

野菜の苦みの一部は、「glucosinolates」という化学物質によってもたらされ ているそうです。それは「phenylthiocarbamide:PTC(フェニルチオ尿素)」 のような特定の化学薬品を判別出来る人だけが感知できるもので、舌に存在する 「TAS2」と呼ばれるいくつかの異なる形式を持つ受容器がその物質を感知してい ます。人間では、その物質に敏感な受容器を作り出す遺伝子と、それに鈍感な 受容器を作り出す遺伝子の両方が存在しているそうです。

野菜の苦みは、「glucosinolates」のみが決めるものでは有りませんが、今回 の実験ではその物質に敏感な受容器を舌に持つ人々が、それを含む野菜をより 苦いものとして判定している事が明らかになっています。苦い野菜を判別でき る事に利点を見いだせない人もいるかもしれませんが、実は生薬・ハーブとい った古来からの天然薬には苦いものが多いのです。それは、そういう成分に敏感 だった人々に健康上の利点をもたらしてきたかもしれません。

また、この受容器は時間が経つことによって性質が変化したり、数が減少した りしているかもしれないそうです。これはなぜ子供がより野菜を嫌うのか、ま た、大人になると味覚が変化して子供の頃嫌いだった食物が食べられるように なるといった事が生じるのか、という事を説明するかもしれないと記事は語っ ています。

体調不良の時に、苦みのあるキャベツを生でかじる性癖を持つ猫としては、 なかなかに興味深い話です。


天然の薬と苦み」、「glucosinolate」、「TAS2

「新型インフルエンザ」は、非常に事態の展開が早いです。
まず記事の日付を確かめ、必ず表紙で最新情報を見てくださいね。









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