健康と医学全般

記事 : 脳細胞が生き残るためには「学習」が必用らしい 
06年08月14日(月)


Life and death in the hippocampus: what young neurons need to survive
Eurek Alert News 8/13

脳で新しく生み出された神経細胞が生き延びるかどうかは、それらが既存の ネットワークに割り込むことが出来るかどうかにかかっている、という事を 示唆する研究結果が出たそうです。

今回の研究では、新しく生み出された神経細胞が「生き延びられるかどうか」 を決める過程に、近くの細胞に情報を送り出す為に神経細胞が放出している 神経伝達物質、「glutamate(グルタミン酸塩)」が関連している事が示され ました。

この物質を受け取る「NMDA receptor」という細胞表面にある受容器が発現 しないように遺伝子操作されたマウスでは、新たに生み出された神経細胞が、 既存の神経細胞や同じ様な若い同僚細胞との競争の過程を生き延びて、既存 の神経ネットワークに加わることがより難しくなっていたそうです。これは、 信号物質である「glutamate(グルタミン酸塩)」が存在しない場合にも、 新たに作り出された神経細胞の生存率が悪くなる事を意味します。

また、迷路を泳がせるような学習課題では、神経細胞が「海馬」という新 しい情報を得る事を機能とする脳領域でより多く作り出されている、若いマ ウスや中年のマウスの成績が良い事も示されています。つまり新しくネット ワークに加わる神経細胞が、単なるにバックアップではなく、学習を強化する 働きをしている事が示唆されているわけです。

「人間一生勉強だ」とは良く言われる事ですが、刺激を上手く伝えられない 神経細胞が淘汰されるという事実を見ると、学習による刺激によって 「glutamate」を供給する事が、成人の「neurogenesis(神経発生)」・ 神経ネットワーク内の再整理には絶対的に必要なのだ、という研究者の主張も もっともな物に思えます。あとは加齢による神経細胞の再生能力の低下を補う 手法が見つかれば、老化と劣化とを結びつけるような意識も変更されてゆくの かもしれません … 積み重ねというのは、言うまでも無くとても強い力なの だけれどね。


脳細胞と学習」、「NMDA receptor」、「glutamate:グルタミン酸塩

「新型インフルエンザ」は、非常に事態の展開が早いです。
まず記事の日付を確かめ、必ず表紙で最新情報を見てくださいね。









... 同時期に掲載された記事

冥王星についての参考情報 - 06年08月14日(月)
冥王星は「惑星」に留まれるのか? - 06年08月14日(月)