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  <title>絶対零度-Returns-</title>
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  <title>７−４想像力_</title>
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  <description>もし日本でテロが起きるとしたらどこだろうか。
起こしやすいかどうかを無視するなら、赤坂見附もしくは溜池山王近辺の地下鉄、
品川から新横浜の間の新幹線、巨人阪神戦の東京ドーム、夏休みの東京ディズニ
ーランドなどは大きな効果があるだろう。
いや「大きな効果」というのはなにか客観的で適切な表現ではなかった。
そういうところでテロが起きれば、阿鼻叫喚の大惨事になるということだ。

私は通勤に地下鉄を使っており、赤坂見附も溜池山王も通過する。
特に赤坂見附と溜池山王の間は、いつも不思議なほ</description>
  <dc:date>2004-12-17T21:50+09:00</dc:date>
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  <title>７−３　命日</title>
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  <description>「窓側なんです、すみませんね」
男の声がして、反射的に私は膝を少しずらした。
目の前を浅黄の衣と異国の花のにおいが通っていた。
あ、このにおいはと思って、隣に座ったその人の方を見ると、彼も私を見ていた。
「やあ、久しぶりだね」と男が笑顔を見せながらいった。

そう確かに彼とは以前一度会ったことがあった。
といってもたった3分前のことなのだが。
私が自分の座席を探して通路を歩いていたとき、彼は通路を逆に私に向かって歩いてきたのだ。私は袈裟姿の彼を見て少々大げさに通路を譲った。私が飛</description>
  <dc:date>2004-05-09T18:38+09:00</dc:date>
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  <title>２−４　プロレスのショウタイ</title>
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  <description>実は私は、週刊プロレス２月２日号の表紙を見ながら、「幸せな 老後」というテーマでエッセイを書いていた。

しかしその原稿をそのままの形でみなさんにご覧いただくことは 永遠にないだろう。なぜならその主人公が死んでしまったからだ。
私には書けなくなってしまった。

もっと正直に言うと、その訃報を聞き、自分の心のどこか奥の方で信じざるえなくなるまでの短い間に、私はプロレスを妙に遠くから見ている自分に気づき、驚いて筆を止めたのだ。

私は決して熱狂的なファンというわけではない。しかし人生の</description>
  <dc:date>2004-05-09T00:13+09:00</dc:date>
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  <title>７−２　監死</title>
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  <description>久しぶりで入った中華料理店は閑散としていた。
中華料理店といっても、ラーメンとかチャーハンとか日本料理になっているようなものだけを出す小さな店だ。
奥のテーブルで女が二人話し込んでいる。近くを走り回っているのはどちらかの子供だろう。
私はとりあえず一番近くのテーブルに座った。椅子はパイプと薄っぺらなシートでできた安っぽいもので、腰を下ろすと座面に貼ってあっためくれあがったガムテープが尻にいやなかんじで当たった。
私は壁に貼ってあるメニューを探した。
タバコの煙か油か分からないが、茶色く</description>
  <dc:date>2004-02-15T20:14+09:00</dc:date>
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 <item rdf:about="http://www.mypress.jp/v2_writers/aslan2001/story/?story_id=297174">
  <title>７−１　あなたに似た人</title>
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  <description>どこかでお会いしたことがありますよね」
その言葉が日本語だと私の脳が認識するまでに少し時間がかかった。久しぶりで耳にしたからだ。
いつもの私なら、このようなところで日本語を聞いても、何も聞こえなかったように歩み去るだけだ。なぜならたいていの場合、こんなところで日本語で話しかけてくるのは、無防備な日本人の旅行者が持っている「何か」を欲しがっている人びとだけだからだ。
それでも私が立ち止まってしまったのは、その発音が不自然なほどに自然だと感じてしまったためだ。
振り返るとこの町では珍しい色白</description>
  <dc:date>2004-02-15T15:06+09:00</dc:date>
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  <title>６−１　志集</title>
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  <description>この時間になるとまた人は早足になる。残業を終え勤め先からの帰宅を急ぐ男たちが、ほとんど一駅分ある長い地下街を競うように歩いている。もう１０年以上前、私はこの道を毎日通っていた。しかし職場が変わってからは、ここを通るのは随分久しぶりのことだった。
もうしばらく歩くと、右に左にビルへとつながる入り口が現れ始める。駅へは幾通りかの行き方があるのだが、私は一番手前の広いが階段をいつも選んでいた。そのころのように階段を上り、緩やかに右手に曲がる通路を歩き、天井の高いコンコースへと出ると、そこはあの頃と同</description>
  <dc:date>2004-02-14T15:40+09:00</dc:date>
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  <title>５−４　生贄</title>
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  <description>男はゆっくりとロープを上り始めた。
ロープは男の体重を支えきれずに小枝のように大きくしなった。
男はバランスを崩しそうになりながら、しかしあきらめることなく登り切り、空を見上げた。
その姿は摩天楼を故郷の島の木のようによじ登り、悲しく天空に向かって吠えたキングコングのようにも見えた。

プロレスラーは祝祭の場に集う異形の者である。
これは私にとってもっとも根元的なプロレスラーの定義である。
「ヒト」には分類しきれない、圧倒的な何かを持って生まれてきてしまった者たち、それがプロレスラ</description>
  <dc:date>2004-02-11T16:34+09:00</dc:date>
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  <title>５−３　右腕</title>
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  <description>地下への階段を降りきった狭い踊り場の左手に、見た目より重いガラス扉がある。
ガラスは透明だが、すぐ中に小さなレジがあり店の奥が見通せない。
そのため扉のこちら側からでは混んでいるのか空いているのか分からず、開けるときに、いつもちょっとしたギャンブル気分を味わうことになる。
今日は＜当たり＞だった。
誰も客はいなかった。
私を見ると、いつものようにマスターが椅子から立ち上がり「いらっしゃい」と、しかしどこか困ったような表情で言った。
よくできた間違い探しの絵を見ているような気がした。</description>
  <dc:date>2004-02-10T16:10+09:00</dc:date>
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  <title>５−２　境界</title>
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  <description>私はたった一度だけ振り返った。
ずいぶん走ったつもりだったが、みんなの姿は思ったよりずっと大きく見えた。
私が二年間だけ一緒に過ごしたクラスメイトたちは、校門の内側に横一列に並んで、手を振っていてくれた。
しかし誰一人門の外側に足を踏み出してくる者はいなかった。それがそことここの間に目に見えぬ境界線があることをはっきり示していた。
私は立ち止まり、みんなに向かって大きく手を振った。
そして「さようなら」と私は叫ぶようにいった。
そのつもりだった。
しかし実際には私は喉を詰まらせてし</description>
  <dc:date>2004-02-09T21:57+09:00</dc:date>
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  <title>５−１　理解</title>
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  <description>待っていたエレベーターの扉が開いた。
目の前に何か黒くて大きなものが立ち塞がっていた。
おそるおそる視線をあげていくと、ずっと高いところに怒りにつり上がった燃える
目があった。
４歳の私は固まった。

それがどこなのか、なぜ私は一人でそこにいたのか、本当に一人だったのか、確かなことは何も思い出せない。
ただ確かなのは、排ガスの臭いがする薄暗いビルの駐車場のエレベーターから、巨大なびっくり箱のようにゴジラが現れたことだけだ。
ゴジラは動けないでいる私をしばらく見下ろしていたが、やが</description>
  <dc:date>2004-02-08T22:53+09:00</dc:date>
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  <title>４−１　邂逅 </title>
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  <description>長州が帰ってきた。
リングに戻った長州は負ける。
長州が復活したことの興行的意味と、今負けつづけていることの「プロレス的意味」を、あまりプロレスに純情とはいえない私たちは気づいてしまっている。
しかしあるいは、とも思うのだ。そうあって欲しいと思うのだ。リングから去っていた時間の意外な大きさを、自分の弟子たちに教えられて、愕然としているのではないかと。あの日の私のように。

もう十年になるだろうか、いや、十二年？本当にそんなに時間が過ぎたのか。
しかし間違いない。その職場は私にとって四</description>
  <dc:date>2004-01-17T08:41+09:00</dc:date>
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  <title>３−９　達人</title>
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  <description>私がこの話を知ったのはつい最近のことだ。それはとても信じることができない内容ではあったが、私が待ち望んでいたものでもあった。皆さんがどう感じるかとても楽しみだ。
「2001年当初に開催されるあるノールール系の格闘技団体の興行へ、７０歳の日本人武術家が出場する」
型を披露するというわけではない、審判というわけではない、ましてや「ダーッ」
とだけ叫ぶためにのこのこリングにあがるというわけではない。彼は選手として出場するのだ。しかも相手はヘビー級のアマチュアレスリングの出身者である。

リン</description>
  <dc:date>2004-01-16T16:19+09:00</dc:date>
 </item>
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  <title>３−７　巫女</title>
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  <description>ジャイアント馬場の死によって全日本プロレスは呪われた、と以前私は書いた（２−４プロレスのショウタイ［１０９６号］）。それはジャイアント馬場がおそらく自分の意志に反して、自らの言霊の力を解除する間もなく死んでしまったからである。その結果、全日本プロレスにおいて、馬場の言霊が活動を支配することになってしまった。
「馬場さんならどうするのか」
「馬場さんならそうはしない」
「馬場さんが許すはずがない」
いったん放たれた言霊は形を変えることはない。環境に影響されない。成長しない。
言霊は生まれ</description>
  <dc:date>2004-01-14T16:34+09:00</dc:date>
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  <title>３−６　謎</title>
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  <description>私がプロレスに対してもう少し純情だった頃（それはもう百年も昔のようだが）、団体間のトーナメントやリーグ戦を頭の中でシミュレートしてみることが時折あった（うーん、恥ずかしい…）。
しかしあるプロレスラー出現は、それを全く意味のない作業にしてしまった。だれが「本当は」最強かは、彼の試合を見れば明らかだった。そしてこの考えは、一方の雄と目されていた他団体のレスラーが、彼のいるリングを戦場と定めたことで、正しかったことが証明される。

全日本と新日本という二つの団体は、特に受け身に対する考え方で、</description>
  <dc:date>2004-01-06T15:19+09:00</dc:date>
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 <item rdf:about="http://www.mypress.jp/v2_writers/aslan2001/story/?story_id=332965">
  <title>３−５　この世で最も美しい</title>
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  <description>夕刊プロレスにプロレスの話を書き始めて三年になる。
こんなことを話すと怒られそうな気がするが、その間に現場に出かけることはついに一度もなかった。それどころか、テレビを見ることすら、特別な場合に限られるようになってしまった。
いまの私は、アームチェアに深く腰掛け、事件を推理する探偵のようなものである。私のプロレスは、記憶と活字からできている。
その私が久しぶりにプロレスを見に行くことになった。DSEのPRIDE 2000である。何かに導かれるように私は当日券を買ったのだった。

私にとっ</description>
  <dc:date>2004-01-05T00:17+09:00</dc:date>
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