伊東静雄
05年04月12日火

詩集 わがひとに与ふる哀歌
昔、集中的にいろんな人の詩集を読んだことがあります。
三好達治の詩「甃(いし)のうえ」が高校の時の教科書に載っていて、凄く気に入り、それをきっかけとして読んだ記憶があります。
石川啄木の短歌も好きでしたが詩も好きでした。(日記はもっと好きでしたが。)
萩原朔太郎は「月に吠える」も好きでしたが、「夜汽車」という詩が大好きでした。
高村光太郎の「智恵子抄」ももちろん愛読しました。
それ以外にも新潮文庫とかで読めそうな詩はいろいろ読んだ記憶があります。
ああ、かわったところでは吉本隆明の詩集も読みました。よくわからなかったけど彼の思想の書よりは良かったと思います。
そんな中でも、より心に刻み込まれている詩があります。
『わがひとに与ふる哀歌』です。
伊東静雄の詩です。
何故この本を手にしたかは今では覚えていません。ただ後書きか前書きかに桑原武夫が書いていて、ああまたこの人の推薦の書を読むことになるのか、と思った記憶があります。桑原武夫がらみで言えば高校時代にルソーとか石川啄木とか、偶然なんですが彼の翻訳とか編集書とかを読んでいたものですから。
詩というものは、私はただ気分のおもむくままに読みっ放しで良くわからないのですが、流行歌と一緒で好き嫌いがあると思います。論理的にこの詩のここが良いということは説明し難いものです。言葉とか言葉の流れにどう感じるかと言うものですから。もちろん専門家のレベルからすればもう少し違ってくるのかもしれませんが、私なんかはそう思ってしまいます。
そこで私は『わがひとに与ふる哀歌』の持つ言葉の鮮烈な美しさとその光の影の部分、陰影ですか、光と影ですね、そんなものに感じてしまったわけです。本当は解説書かなんかを読めばもっと深い理解があるのかもしれませんが。
かく誘うものの何であらうとも
私たちの内の
誘はるる清らかさを私は信ずる
鮮烈な梓川の流れの音を聴きながら河童橋から穂高を見上げた時、この詩のもつ抽象的な美しさに似ているなと思いました。
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02:40
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